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カテゴリ:アメリカ映画
≪生まれた時からこういう子になる運命なのか?いつからこうなってしまったのか? いろんな事件を目にするたびに考えてしまいます≫
少年時代のマコーレー・カルキンくんと言えば、『ホーム・アローン1,2』の時の無邪気なヤンチャさや、『マイ・ガール』の時のちょっと繊細でかわいらしさの残る少年を演じていましたが、この作品では良い子の面をかぶった残虐な悪の少年を演じています。 母親が病死した少年マークは、父親が出張のしばらくの間おじ夫婦の家に預けられる事になった。そこにはマークと同い年のヘンリーとその妹のコニーがいて、マークは彼らとすぐに仲良しになる。おばもマークを温かく迎え入れてくれたが、彼女はヘンリーの弟をバスタブで水死させた事の自責の念でいっぱいで立ち直れないでいた。 マークは毎日ヘンリーと楽しく遊んでいたが、ある日ヘンリーがアーチェリーを改造した機械で犬を殺し、死体を井戸に捨てるのを手伝わされた彼は、ヘンリーの中の残虐性を知り警戒するようになる。 原題は"THE GOOD SON"。親から見れば良い息子のヘンリー、両親に向けてニコニコと微笑んだ顔が、振り返ると一瞬にして無表情の顔になる恐ろしさ。 一方マーク演じるイライジャ・ウッドは、あの大きな瞳でヘンリーの残虐性を訴えるものの誰からも信じてもらえず、コニーやおばを必死で助けようとする姿は、後の映画で指輪を葬りに行く正義感にも似ています。 この頃11,12歳であったろうふたりの子役の上手さもさすがながら、脚本がすごく良く出来ていると思います。 全ては嫉妬から始まった事。「僕を見て!僕を愛して!」と心で叫んでいるヘンリー。何も彼を愛していないわけではなく、妹や弟が出来れば自然と小さい子へと目がいくのは当たり前の事。それをお兄ちゃん、お姉ちゃんになったから、とどこかで我慢したりするのはよくあることですが、そこに異常なまでの嫉妬や、そしてほんの小さく生まれたか、隠れていた残虐性が大きく芽を出してしまった悲劇。 初めてヘンリーとマークが顔を合わせるところから、何となく嫌なものを感じるのですが、ヘンリーのような頭が良くて恐ろしい子が一番始末が悪い。マークがどんなに訴えても、ヘンリーは先を読んで対策を打って出ます。 ラストの母親の選択。賛否両論あるかと思いますが、子供の頃にヘンリーのように人並みはずれた残虐性を持った子は、必ず何か犯罪を犯しそうな気がします。今まで日本で起きた猟奇的な事件(子供が犯人を含め)は、追っていくと罪を犯した人物は幼い頃から動物等に残虐な行為をしている事がわかっています。もちろん早めに判れば解決策もあるのでしょうが、この映画での母親の判断は…未来のそういう事も考えたのかもしれません。でも彼女は一生悩み、後悔するかもしれませんし、又マークも深い傷を負ったまま生きていく事になるのでしょう。どちらを選んだにしても、このおばは一生後悔す事になると思います。本当に辛い… 後味は決して良い作品ではないのですが、ふたりの子役達の熱演とただ恐ろしいだけではなく、最近の日本でのいろんな事件を照らし合わせて、考える事の多い作品だと思いました。 この悲しく、恐ろしい物語に音楽が美しく、より切なさを感じます。 THE GOOD SON 1993年 監督:ジョセフ・ルーベン 脚本:イアン・マクエワン 音楽:エルマー・バーンスタイン 出演:マコーレー・カルキン、イライジャ・ウッド、ウェンディ・クルーソン、デイヴィッド・モース 危険な遊び(初回限定生産) ◆20%OFF! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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