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カテゴリ:アメリカ映画
≪多感な時期に出会う人の影響は計り知れないものがある≫
秋から冬にかけてのニューイングランド地方。素晴らしい風景の中で進んでいくこの作品、やっぱりこの季節になると思い出します。 1959年バーモントの全寮制有名私立校の新学期が始まり、同校のOBで英語の教師キーティングが赴任してきた。伝統と厳格な規則に縛られている学生達にとって初めはキーティングの風変わりな授業に戸惑いがあるものの、次第に彼を受け入れ、自分の意志を持つことに目覚めていく。そして学生達はキーティングが学生時代に作っていた“死せる詩人の会”を復活させる。 設定が1959年ですからもちろん現代と比べるにはいろんな面で違いがありますが、あの時代、そして私立の名門校はアメリカでもこんなに厳しく、体裁を重んじていたのですね(現在はわかりませんが)。伝統校、名門校と言うのはどこでもこういうものを持っていそうですが、それに加え教師はもちろん親も子に多大な期待を持っています。 親の言うとおりに育ち、親の言うとおりにこれからも進もうとしている。敷かれたレールの上を歩く事は間違っていないだろうし、それが楽かもしれない。でも、「ちょっと待てよ。何か違うんじゃないか。」ちょっとだけ今の自分に疑問を持ち始めた時に、今まで自分の周りにいた人間とは全く違ったタイプの教師に出会い、触発されていく。自我に目覚め、自由を求めハッピーな未来が待ち受けているはずだった。しかし…。 ニールよ、何故そういう結果に自分を導いてしまったのか?残念でなりません。親からいつも押さえつけられてきた、親に反抗する事を知らずに育って来たからこうなったとは思いたくはないけれど、彼にはもっと頑張って欲しかった。キーティングが教えたかったことはニールがとった行動ではなかった筈なのに。 この年代の、それも良いとこのお坊ちゃん達なので17,8歳というのは純粋です。そして多感な時期。こういう時期に出会う人、教師には多くの影響を受けるものです。自立する事を教えてくれたキーティング。素晴らしい教師だと思いました。しかし、彼の教え方は偏りすぎてはいなかったか?そういう思いもありました。上手くいけばこういう教師に出会うことは自己確立と言う点で将来いろんな面で役に立つことがあると思います。ただ、人によっては間違った方向へ行ってしまう場合もあるのです。 ありきたりのティーチングプランに沿って教えるだけの先生が多い中、生徒の個性を伸ばし、生徒の事を考えてくれる教師が必要だと思う反面、あまりに個性的な考えを持つ教師というのも少し恐い面もあります。矛盾しているようですが、これが本音です。だから、事実ではない映画の中ではキーティングに憧れもし、ラストで机の上に立った生徒達に感情移入も出来るのです。 2度、3度と観る内に上のような感想に至ったわけですが、それでもこの映画を何度も観てしまうのは、やはりキーティングのような教師に出会いたかったという思いがあるからだと思います。 強い個性ですが、そこをあのロビン・ウィリアムズが流れるようにと言う表現がいいのかわかりませんけど、すごく良かったです。 そして、それにも劣らず若き日のイーサン・ホークやその他個性溢れる生徒達がとてもまぶしかった、ハッピーエンドではないけれど、決して後味の悪い作品ではありません。 DEAD POETS SOCIETY 1989年 監督:ピーター・ウィーアー 脚本:トム・シェルマン 出演:ロビン・ウィリアムズ、ロバート・ショーン・レナード、イーサン・ホーク お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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