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カテゴリ:アメリカ映画
≪戦争…何と虚しいものなんでしょう≫
スティーヴ・マックィーンのファンだと言う事は既に何度も書いていますが、この映画がきっかけだったような気がします。小学生の頃に初めて観たのですが、まるで映画で起きた事が現実のような気持ちになり、観終わって眠りにつくのに随分暇がかかった記憶があります。それくらい小学生の私にとっても衝撃的な作品でした。 1920年代中国。アメリカのオンボロ砲艦サンパブロに一等機関兵ホルマンが赴任してくる。彼は機関室のリーダーの筈だが、そこには下働きの中国人たちがいて彼の思うようにはならなかった。そんな中、中国内ではあちこちで外国人排除運動が起きはじめ、サンパブロもアメリカ人宣教師救出の為内部へと乗り込む。 激動の時代の中国。最初はのんびりと暇をもてあましていたサンパブロ乗組員たちも、次第に争いの中へ入り込んでいく様が描かれています。しかし派手な戦闘シーンはほとんどなく、主に乗組員達の恋愛や生い立ちなどを織り込んで、個々の人間模様を描いたヒューマンドラマです。 ホルマンは一見無骨です。それ故誤解される事も多いのですが、実はピュアな一面を持つ心優しい男。それを感じ取る教師のキャンディス・バーゲンとの恋も、ホルマンの唯一の友フレンチーの中国女性との恋も国同士の争いに巻き込まれて成就できません。 艦長の名誉の為の救出劇も、宣教師の中国への思いも結局は届かないで終わってしまうのです。 どんなに他国の人を思い尊んでも、いざ戦争となり目の前に銃を持った者が現れれば撃たなければ自分が殺される。 虚しくて、やりきれません。 それから中国人ポーハンの役で日系人俳優として有名なマコさんが出ています。彼の素晴らしい演技、そしてその最期のシーンはやるせなさと憤りでいっぱいになるのです。 最期のホルマンの言葉が胸を打ちます。こんな筈じゃなかったんだ、と。 砲艦の乗組員の目線で見た、戦争の愚かさを描いた素晴らしい作品でした。 私の心に沁みるベスト作品の一つです。 THE SAND PEBBLES 1966年 監督:ロバート・ワイズ 原作:リチャード・マッケナ 脚色:ロバート・アンダーソン 出演:スティーヴ・マックィーン、リチャード・アッテンボロー、キャンディス・バーゲン、リチャード・クレンナ、マラヤット・アンドリアン、マコ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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