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カテゴリ:アメリカ映画
≪ものすごい作品。面白いけど笑えない最強のブラックコメディ≫
米ソ冷戦下における核戦争の恐怖を強烈なブラックユーモアで皮肉った作品です。 アメリカ空軍基地の司令官が突然発狂し、ソ連の核基地への攻撃命令を出す。ソ連側は攻撃を受けたら自動的に反撃する装置を完備していた。両国首脳陣は危機を回避する為にあらゆる努力をし和解する。しかし、一機の米軍爆撃機がその事を知らずに任務を遂行してしまう… 初めてこの映画の事を知った時タイトルがなんか怪しいじゃないですか。中学生くらいだったから、やばい映画なのかもと思ってテレビでやっているのを親と一緒に恐る恐る(?)観た記憶があるんです。その時は、一歩間違えれば核戦争が起きてしまう、というのが強く印象に残って、その後は米ソどちらかがこんな事やらかすんじゃないかという恐怖がずうっとありました。だから恐怖の印象しかなかった映画と言ってもいいかもしれません。 それから随分経って観たときは、恐怖はもちろんかわりませんが、ピーター・セラーズの一人三役の巧さ、その他の人物の妙なおかしさもわかるようになって観ました。 それにタイトルも実はDr.Strangeloveという名前だという事もわかりました。このネーミングがすごいです、"異常愛博士”ですからね。 『13デイズ』でもキューバ危機を回避する為に敷かれたホットラインが出てきますが、本作品でもホットラインが活躍します。そこで話される内容とかが馬鹿げた部分もあり、Dr.Strangeloveの様子なども面白おかしくはあるのですが、心から笑えないんです。 それにしても、冷戦真っ只中にこういう映画を作ったキューブリックはスゴイ人です。当時はとっても話題になったんじゃないでしょうか。 でも被爆国の人間はこんな映画は作れないんじゃないかと思います。 ラストのきのこ雲、「又逢いましょう」と言って落ちていくところに平和な曲が流れて… 「こんな事絶対にあり得ません」と言われても、「絶対なんてそんな事わからない」という思いがあるから、これを観ると凍る気持ちになるのです。 DR.STRANGELOVE:OR HOW I LEARNED TO STOP WORRYING AND LOVE THE BOMB 1963年 監督:スタンリー・キューブリック 脚本:スタンリー・キューブリック、テリー・サザーン、ピーター・ジョージ 出演:ピーター・セラーズ、ジョージ・C・スコット、スターリング・ヘイドン お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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