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テーマ:おすすめ映画(4068)
カテゴリ:アメリカ映画
≪やっぱり手紙っていいなあ、好きだなあ≫
この作品の事は全く知らなかったのですが、ある方のおすすめでとても興味を持ち観ました。作家へレン・ハンフの自伝的小説の映画化作品です。 1949年、NY在住の作家へレンは古書集めが趣味。しかしNYでは適当な値段ではなかなか手に入らない。ある日新聞で見たロンドンの古書店に本の注文を出すと、目当ての本が丁寧な返信と共に送られて来た。彼女はそれ以来本を注文する時文通と言う形でその書店主と交流を20年間に渡り続ける事になる。 なんか、良い映画でした。 携帯も、ファックスももちろん無い時代、国際電話だって容易じゃない。文通が一番ノーマルな形だったのでしょう。手紙だから書ける、日数がかかるから届いたときの喜びも大きい。そんな事を改めて思い出させてくれます。 当時のイギリスの食糧事情や、アメリカとイギリスの違いなども好対照で興味深いです。ちょっとグレーなロンドンと明るい色のニューヨーク。 クリスマスに当時イギリスでは手に入りにくかった物をヘレンが贈り、そこから書店で働く人たちや店主の妻との交流も始まります。 重厚な感じのその古書店は、古いロンドンの街にいかにもしっくりと来る趣があり、中で働く人たちの雰囲気もなんとなくエレガント。 歯に衣着せぬ文章でリクエストするアン・バンクロフトのヘレン。ヘビースモーカーでいつもせわしく動き回る彼女。そして、彼女のリクエストにいつも真摯に応える店主のアンソニー・ホプキンス。寡黙な役は本当に巧いホプキンスですが、この店主の雰囲気も彼ならではです。そして、彼の妻役のジュディ・デンチは、夫の顔見えぬ文通相手にちょっと嫉妬する不安げな演技が又巧い。素晴らしい主役2人と、書店の人たちやヘレンの友人たちも含め、脇のキャラクターたちの良さも光ります。 ラストの思わぬ展開に驚きはするものの、特にこれと言った盛り上がりもなく、古書の内容も知らないものばかりでしたが、アナログな時代に生きた男女の、これは言わばラブ・ストーリー。とっても心温まるステキな映画でした。 エンドロールが又いいんです。 これを観たら、ご無沙汰している友人や知人に手紙やはがきを書きたくなったのは言うまでもありません。 84 CHARING CROSS ROAD 1986年 監督:デヴィッド・ジョーンズ 脚本:ヒュー・ホイットモア 原作:へレン・ハンフ 出演:アン・バンクロフト、アンソニー・ホプキンス、ジュディ・デンチ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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