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カテゴリ:アメリカ映画
≪"ラジオ”と一人の教師の心温まる実話≫
知的障害者を扱う映画ってどういう風に描かれているかちょっと不安な面があり、観ようか観まいか迷う事もあります。この作品は実話ベースだと聞き、又出演者を聞き迷わず観た作品です。 1976年サウスカロライナ州のハナ高校。ジョーンズはアメフトをこよなく愛する教師で、かつアメフトチームのコーチ。いつも練習場近くをカートを押しながらうろついている知的障害を持つ黒人青年が拾ったアメフトのボールを返さなかった事から、チームのメンバーがこの青年にひどい事をしてしまう。それがきっかけでジョーンズはこの青年ジェームズに、チームの世話係を頼む。彼は音楽が好きでいつもラジオを手放さないので「ラジオ」とニックネームをつけた。 次第に人気者になっていく彼に学校の授業にも参加させるジョーンズ。しかし、その事を快く思わない者もいて… まずはあの早口でまくしたてるキューバ・グッディング・Jr.が、まるで他人のように静かな演技をするのにびっくり。雰囲気をとても良くつかんで見事にラジオになっていました。 初めは恥ずかしがってほとんどしゃべらず、しゃべっても小声でほんの一言二言。ところが、アメフト部の世話係をするうちにアメフトが大好きになり、そしてラジオの声がとても大きくなり話す言葉も数倍に増えている。いつも一人ぼっちだったラジオが人と触れ合う事で自信を持ち、快活になって行く様子が観ていて嬉しいのです。 ラジオが途中変な事に巻き込まれはしないか、とかジョーンズがあまりに独断で事をすすめるのが気になりました。しかし、いつもラジオの味方で親身に面倒を見るジョーンズ。何故こんなに一生懸命なのかとずうっと不思議に思って観ていたのですが、それは後半に明かされます。この真摯でちょっと不器用なコーチがエド・ハリス。彼が渋くていいのですわ! そして彼の妻役に久しぶりのデブラ・ウィンガー。相変わらず美しく、とてもいい年の取り方をしているように見受けました。やはりこの人は引っ込んでるのはもったいないです。 この青年にいろんな経験をさせるのはいいけど、そうなら絶対に途中で投げ出すことなく最後まで面倒を見なければなりません。もちろんジョーンズは最初からそのつもりだったのでしょうが、それには彼の家族、そして校長をはじめ周りの寛容な人々のおかげだったと言う事もあります。 ラストで現在のラジオの姿が映り、そこではからずもグッときてしまいました。今なおハナ高校でアシスタントコーチとして活躍するラジオ。こういう姿を見ると、ジョーンズのしてきた事は素晴らしいし、アメリカだってまんざら悪くはない、と思ってしまいます。 RADIO 2003年 監督:マイク・トーリン 脚本:マイク・リッチ 出演:キューバ・グッディング・ジュニア、エド・ハリス、アルフレ・ウッダード、デブラ・ウィンガー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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