|
テーマ:おすすめ映画(4068)
カテゴリ:アメリカ映画
久しぶりに観ました。はじめて観たのは多分中学か高校生ぐらいだったでしょう。その頃はアンハッピーエンドの作品は夢に出てくるほど悔しい思いをした事は何度もあるし、あまり好きじゃなかったと思います。最初に観た時はあまり意味がわからなかった記憶があります。でもラストが何とも切なくてその記憶だけは鮮明でした。その後しばらくたって20歳を過ぎて観た時、「こんな映画だったんだ」と改めて感じ入ったものです。 ジョーはカウボーイのいでたちでテキサスからニューヨークへやって来た。自分の容姿と体を武器にニューヨークの金持ちの女を相手に稼ごうと言うもくろみだ。しかし、現実は甘くはない。そんな時彼が知り合ったのが小柄で始終咳をして脚を引きずって歩くラッツォ。薄汚れた都会のはみ出し者の2人は次第に友情を深めていくが…。 アメリカン・ニューシネマと呼ばれた時代の映画だけど、今でも充分に通じる作品のような気がします。田舎から都会に出て行って、又はずっと都会に住んでいても自分の夢をどうやったら実現できるかわからずにもがいている。都会の片隅で焦りながらも日々は過ぎていくだけ。こういうことって現代社会に共通するテーマです。 ここでの2人は決して褒められるような生活をしていません。かたやジゴロになろうと思い、かたや盗みや小ざかしい事ばかりしている、「まともに働け!」と愚痴の一つもこぼしたくなるような2人です。共感は出来ないんだけど思わず感情移入してしまうのは、一体何なんでしょう。 ジョン・ヴォイトのあまりにお人好しな田舎の青年ぶり、カウボーイ姿の自分をカッコイイと思っている様子に勘違いもいいところだと思って失笑したり、ホフマンの卑怯な生き方の中に不自由な脚や病気を患っているという影がちらつくのも妙に心がざわついたりするのです。 孤独な男達が肩寄せあって汚い部屋に住み、陽の燦燦とふりそそぐフロリダへ行きたいというラッツォの望みを叶えるべくジョーがとった行動はあまりに哀しい。 ラストのヴォイトの泣くでもない、悲しいような、それでいてどこかホッとしたようなあの表情が何とも心に残ります。 そして全編を通してホフマンのラッツォは切な過ぎました。巧過ぎ。ジョーの横を脚を引きずって歩く彼の姿は目に焼きついています。 ニルソンの「うわさの男」名曲ですね。 オープニングのこの曲のような楽しい雰囲気で最後まで行きたかったです。 それにしてもアンジェリーナ・ジョリーは父親にそっくりだと、この頃のヴォイトを見ればわかります。特に鼻と口元、横顔が似てます。 邦題は「カウボーイ」じゃなかったんだ。「カーボーイ」?今頃気付いた! MIDNIGHT COWBOY 1969年 監督:ジョン・シュレンジャー 脚本:ウォルド・ソルト 原作:ジェームズ・レオ・ハーリヒー 出演:ダスティン・ホフマン、ジョン・ヴォイト、シルヴィア・ミルズ、ジョン・マクギバー、ブレンダ・ヴァッカロ DVD お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[アメリカ映画] カテゴリの最新記事
|
|