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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:アメリカ映画
≪「良くも悪くもない、これでいいんだ」…何だか虚しい≫
本作品は『ブロークバック・マウンテン』『いつか晴とれた日に』のアン・リー監督です。 19世紀、ミズーリ州。ドイツ系移民の青年ジェイクと、裕福な農園の息子ジャックは親友同士。南北戦争の勃発によりジャックの父親は北軍に殺され、彼らは南軍のゲリラに加わるが… 南北戦争の、しかも南軍のゲリラを主に描いた作品は初めて観ました。 ジェイクは本来ならドイツ系なので北軍なのですが、ミズーリで育った事で南軍に加わります。しかし、ドイツ系と言う事でゲリラの仲間から嫌味を言われる事もしばしば。 ゲリラの中にはいろんな人物がいて、その中に黒人のホルトもいます。ジェイクとホルトは、どこかで「よそ者」という疎外感を感じていて、共通の思いを持った二人の間に静かに友情が芽生えていくあたりが何とも言えません。 長髪に髭の若手俳優たちが活躍していて観甲斐があります。 しかし、主人公のジェイクの不安定さや中途半端な感じは時にこちらをイラつかせますが、このストーリーでのジェイクは19歳との事。中途半端さがあっても当たり前で、戦争の中で大人になって行く過程を描いた、青春映画とも言えます。 美しい自然の中での無意味な殺戮。そして、ラストの方では来たでも南でもない戦いに翻弄されながら、青春を謳歌出来たであろうはずの時期に奇しくも戦争に身を呈した若者達の苦い、悲しい話ですが、それでもラストは優しい気持ちになれました。 ゲリラ仲間ですが、恐ろしい「ピット」の切れっぷりが、戦争の影を一番引きずっている人物として鮮明に描かれているようにも思います。 紅一点、歌手のジュエルが華はないけど、とても巧かったのに驚きました。エンディングでの彼女の歌も良いです。 静かで地味な映画です。ちょっと盛り上がりに欠けるかも… RIDE WITH THE DEVIL 1999年 監督:アン・リー 脚色:ジェームズ・シェイマス 原作:ダニエル・ウッドレル 出演:トビー・マグワイア、スキート・ウールリッチ、ジョナサン・リス=マイヤーズ、ジム・カヴィーゼル、ジェフリー・ライト、ジュエル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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