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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:ドイツ映画
≪碧い世界が美しい!≫
ツバルという国のことを知っていますか? 南太平洋にある8つの小さな島々からなる国です。そのツバルは海抜が低いため、地球温暖化の影響を受け始め、このままだと近い将来海に沈んでしまうかもしれません。この島の事を危惧し、写真を撮りこの現状を訴えているカメラマンが作った雑誌を読んだことがあります。この映画のタイトルがその「ツバル」だった事もあり、興味を持ちました。 とある国の荒涼とした大地にぽつんと建つ室内プール。その管理人の目の見えない父親の手伝いをするアントンは、一度もプールの外に出た事がない。そんな彼の夢は、船長になって航海する事だった。ある日、常連客が娘を連れてプールにやって来た。その娘エヴァを見て一目ぼれしたアントン。エヴァもこの不思議な雰囲気の青年に興味を持つが… いつの、どこの国かもわからない、モノクロ映像でサイレント。ただ、人の名前とか共通するような言葉だけを発しているのですが、ストーリーは理解できる。何とも不思議な世界がありました。 このプールは配管がむき出しで、穴は開いているは、シャワーは出ない、更衣室のドアは閉まらない、もう欠点だらけなのですが、ここを愛してやまない管理人の父親、アントン、受付のおばさん、そして常連客たち。 どの登場人物も個性的で、演技力があるからこそその内容が言葉を発していないにも関わらずよくわかるのでしょう。その中でエヴァ役のチュルパンがとてもキュート。 モノクロなのですが、時々青く色づけされていて、特に水中を金魚と一緒にチュルパンが泳ぐシーンはとても美しい。夢の中の世界のようです。 プールから一度も出た事のない青年は、地球儀のランプをかざし、ハンモックに寝転んで外の世界を夢見てる。 とっても不思議な、美しい作品でした。 ツバルが海底に沈まないように。 TUVALU 1999年 ドイツ 監督:ファイト・ヘルマー、 脚本:ファイト・ヘルマー、ミヒャエラ・ベック 出演:ドニ・ラヴァン、チュルパン・ハマートヴァ、テレンス・ギレスピー、フィリップ・クレ、カタリナ・ムルジア DVD お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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