|
テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:アメリカ映画
子供の頃から『メリー・ポピンズ』や『サウンド・オブ・ミュージック』のジュリー・アンドリュースが大好きだったのですが、彼女の作品は、実は数多く観ているわけではありません。上の2作品で充分にファンである、と言う事は言えるのですが、この作品はあれから随分月日が経って観たことになります。と言ってもブロードウェイミュージカルとなった本作を、以前テレビで放映しているのを途中から観て、最初から観なかったことに後悔した事があります。 1930年代パリ。ゲイの芸人トディは、売れないソプラノ歌手のビクトリアと出会い、彼女をゲイの男爵ビクターに仕立ててショーガールとして売り出す事にした。ナイトクラブでの彼女の初舞台は大成功。そして、その舞台を見に来ていたシカゴのクラブ経営者キングが、彼女の女の姿にほれ込んで楽屋に押しかける。キングにはどうしてもビクターが男とは思えなかった。 ジュリーの夫君ブレイク・エドワーズが監督として、妻ジュリーの魅力を押し出した作品です。ジュリーはどちらかと言えばボーイッシュな感じのする人。でも、もちろん女性だから色気が全くないわけではない。そのあたりを上手く利用しているとも言えます。 女性であるビクトリアが男性のふりをして女性を演じる役。なんかややこしいですが、事情を知らない周りの人間は、ビクトリアがどこか怪しいと思いながら右往左往する様子に笑えます。 ブレイク・エドワーズは『ティファニーで朝食を』のようなおしゃれな映画をとっていますが、『ピンクパンサー』シリーズのようなナンセンスっぽいコメディ(私は好きですが)で上手さを出していますが、そんな笑いはこの作品でも見られます。 ジュリーが初舞台で最初に披露するのがジャズ。彼女のこの手の歌は初めて聴いたのですが、ソプラノで正統派の歌い方をする彼女が、低めの声でジャズを歌うのは又とてもステキでした。ジェームズ・ガーナーの二枚目半ぶりもとても良かったですし、ゲイのトディが又何とも味わいのあるキャラクターでした。そして、敵役のウォーレンが又ちょっとオーバーアクション気味ではありますが、敵役でありながら憎めなくて可愛かったです。 ミュージカルと言うと、いつでもどこでも突然歌いだすものがほとんどですが、この作品は歌い踊るのはショーのシーンだけです。ですから、ミュージカルが苦手という方にもおすすめです。 ジュリーは声帯の手術の失敗で現在は歌を歌えなくなっているんですよね。あの美しい歌声はもう聴けないのでしょうか。残念です。 VICTOR/VICTORIA 1982年 監督/脚本:ブレイク・エドワーズ 音楽:ヘンリー・マンシーニ 出演:ジュリー・アンドリュース、ジェームズ・ガーナー、ロバート・プレストン、レスリー・アン・ウォーレン、アレックス・カラス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[アメリカ映画] カテゴリの最新記事
|
|