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カテゴリ:アメリカ映画
≪キャリーを怒らせてはダメ!≫
昨日の『ウォーターボーイ』を観ていて何かに似ている、と思っていたのですが、ジャンルは違うけどそれは『キャリー』でした。 狂信的なキリスト教信者の母親に育てられ、異常な環境で育った17歳のキャリー。彼女は母親からは疎まれ、学校ではいじめにあっていた。ある日、クラスで陰湿ないじめにあったキャリーだったが、その事をクラスで唯一反省したスーが、自分のボーイフレンドのトムにキャリーをプロムに誘ってくれるように頼む。しかし、別のクラスメート、クリスは又悪質な嫌がらせを考えていた… デ・パルマが有名になった作品ですね。 『ウォーターボーイ』のママと違うのは、キャシー・ベイツは子供を溺愛しているのに対し、キャリーの母親はキャリーを疎ましく思っているところです。キャリーには物を動かせるという超能力がありました。母親は望まない子であったキャリーに対しキリストへの罪と思い、その上その能力があるが故にキャリーが他人と関わることを望みません。キャリーが異常にオドオドしたりするのもそういう家庭環境が影響していると思われます。 そんな彼女が女子学生の憧れの存在、トムから誘われてプロムに行く。この時のキャリーは本当にかわいい。最初はただオドオドした泣き虫の彼女が、プロムに行くと決まってから、どんどん可愛くなっていき、クィーンに選ばれたときは光り輝いています。クリスのBF(トラボルタ)でさえも思わず「かわいい」と言ってしまうほど。トムは最初乗り気でなかったけど、ダンスをし、キスをしたのは、本気で彼女に惹かれていたのだと思います。 ただ、ここからが天国から地獄。クリスの容赦ないいじめを発端に、キャリーを怒らせ会場は地獄絵図に。 クィーンになった喜びの絶頂をスローで表現しながら、例の上から○が降りかかるシーン、その後の分割映像、キャリーのアップ映像と、ジワジワと、しかし、確実に破滅の方向へ向っている恐怖をつのらせます。 サイコホラーと言われますが、前半は青春映画でもあります。 キングの映画化された作品の中では、かなり好きな方に入ります。 だけど誰も救われない、悲しくて切ない作品です。 ひどくいじめた人たちは仕方ないにせよ、トムや先生までも… キャリーの怒りのマイナスエネルギーは、全て自分を笑い者にしているように思ってしまったのですね。なんてかわいそうなキャリー。 この時のシシー・スペイセクは26,7歳だったのですよね。いやー、これこそ不思議、ホラーっぽい。シシーも含め、ウィリアム・カットやトラボルタ、アーヴィングなど、考えてみれば後に活躍するスターがたくさん出ています。 そして母親役のローリー・パイパー。『ハスラー』以来の映画出演だったそうですが、さすがに存在感のある、キャシー・ベイツとは又違った迫力のあるママでした。 有名なラストシーン。当時私は友達と観に行っていましたが、2人とも「キャッ!」と叫んで思わずシートから腰が浮いたのを憶えています。 CARRIE 1976年 監督:ブライアン・デ・パルマ 脚色:ローレンス・D・コーエン 原作:スティーヴン・キング 出演:シシー・スペイセク、パイパー・ローリー、ウィリアム・カット、エイミー・アーヴィング、ジョン・トラボルタ、ナンシー・アレン、ベティ・バックレイ DVD お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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