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テーマ:旧い旧い洋画(394)
カテゴリ:アメリカ映画
≪ふたりの男性の間で揺れる中年の女心≫
フランソワーズ・サガンの有名小説の映画化。 パリのトラック販売会社重役のロジェと、インテリアデザイナーのポーラは中年で5年来の恋人同士だが、未だ結婚には踏み切れないでいる。最近ロジェは公私共に忙しく、なかなかデートも出来ない。そんな時、ロジェはパリ在住のアメリカ人富豪夫人の邸のインテリアデザイナーにポーラを推薦した。その邸で夫人のひとり息子、25歳のフィリップに出合ったポーラ。それ以来フィリップはポーラに夢中になる。 小説は読んでいないので原作との関係は全くわかりませんが、ハリウッド映画ではありますが、パリが舞台でイヴ・モンタンが出演している事もあり、どことなく小粋な雰囲気はあります。 ロジェとポーラはお互いを束縛しないという関係を大切にしているため、ロジェに誰か遊び相手がいそうでも追求する事も出来ないでいるポーラ。 フィリップは自分に積極的だが、年齢差もあるし、甘ったれのボンボンとはわかっている。だけど、ほったらかしにされるよりも自分の気持ちをまっすぐにぶつけてくるフィリップの若い想いにほだされてしまう。しかし、やっぱり本当に好きなのはロジェ。 仕事はバリバリやっているけど、自分の年齢を考えると複雑な心中がリアルに描かれています。 バーグマンはそりゃあ『カサブランカ』 や『ガス燈』の頃に比べるとすっかり大人の女性でちょっとがっちりした感じになっていますが、やはり品があります。彼女が階段のところで “I’m old!” と叫ぶ所、そしてラストがなんとも印象的。 特筆すべきはアンソニー・パーキンス。本当に甘ったれのつまらん若造、しかしポーラへの一途な想いを上手く表現していて、同情したくなったり、叱咤したくなったり、と慌しい思いで観ていました。何でこんな男に?って思いたくなるのですけど、所謂母性本能をくすぐる、放っておけないタイプですかね。でもこんな男性は一生このままです。絶対苦労するからやめておいた方がいいです。しかしロジェも又、女遊びはこの先も治りませんね。どっちと一緒になってもあまり幸せになれそうにはありません。 ちょっとダラダラとした印象はありますが、ポーラの気持ちが理解出来る映画でした。 原作を読んでみたいです。 GOODBYE AGAIN 1961年 監督:アナトール・リトヴァク 脚本:サミュエル・テイラー 原作:フランソワーズ・サガン 「ブラームスはお好き」 出演:イングリット・バーグマン、イヴ・モンタン、アンソニー・パーキンス、ジェシー・ロイス・ランディス 文庫本「ブラームスはお好き」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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