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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:アメリカ映画
≪何かを諦め、又何かに向って行く、それも人生≫
これって、思いの外いい作品でした。 シカゴのお天気キャスターのデイヴィッドは、年収24万ドルを稼ぎ出し、さらに全国ネットの仕事の誘いが舞い込んでいた。しかし、私生活では離婚して、子供達は自分から遠ざかって行き、ピュ-リッツァー受賞者の父からの信頼も得られない。人生がイヤになりかけていた時、父親の余命が幾ばくもない事を知らされる。 何だかこういう情けなくってかわいそうな役もこの人には合っているなー、と観ながらしみじみと思ったのでした。 自分でどんどん墓穴を掘って、どうしようもない状況になりついていない、お天気も当たらない、頼りにもされない、仕事面では上手くいっているけど、私生活が満たされない。 ナイナイづくしで、観ていて気の毒になるくらい。又偉大な父親を持っているため、コンプレックスも相当なもの。父親の、そして子供達や元妻の信頼を得ようと必死になるが、どれも空回り。自分の限界を知り自己嫌悪に陥って、おまけに、歩いていても、車を運転していても、よく物をぶつけられる。どこまで気の毒な人物なんだか。 だけど、共感する部分もあるんですよね。 父親の台詞にもあるけど、人生思い通りに行かないことの方が多いのですから。何かを得る時は、何かを犠牲にしている事も多々あることで。 そういう部分の描き方が、デーヴという人物を通して、その人物を又ケイジが演じる事で、更にリアルに、そして、説得力あるものにしています。 又、父親役のケインの台詞は、ケインであるが故にこれも真実味を帯びている気がします。 ハッピーエンドと言うわけではないけれど、前向きに生きていこうとするデーヴの姿に、ホロリと来てしまうなんて。 人生諦めないことは必要だけど、諦めて生きていかなければしょうがない部分もあるのが常ですからね。 THE WEATHER MAN 2005年 監督:ゴア・ヴァーヴィンスキー 脚本:スティーヴ・コンラッド 出演:ニコラス・ケイジ、マイケル・ケイン、ホープ・デイヴィス、ニコラス・ホルト、ギル・ベローズ DVD お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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