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カテゴリ:アメリカ映画
ミネソタ州セントポールのフィッツジェラルド劇場では、長年毎週土曜の夜、ラジオの公開生中継が行われてきた。テキサスの大企業にラジオ局は買収され、今日が最後の放送になることが決まっていたが、司会者のキーラーは、その事をリスナーになかなか言い出せなかった。 アメリカで実在する原題のラジオ番組をモチーフに、実際にその番組の司会者のギャリソン・キーラーが脚本を書き、アルトマン監督が撮った作品だそうです。キーラーは、本作でもやはり司会者として登場。 今夜が最後となるラジオショウの舞台裏を描いた作品ですが、ドキュメンタリーのようなライブの合間にショウのスタッフ、出演者の思い、人物像などを上手く描いているのはさすがにアルトマン監督。 途中出演者の一人が急死しますが、その人(チャックだったか?)の死と、番組のラストと言うのがこの作品を全て「ラスト」と言う言葉で表しているかのようです。謎の白いトレンチコートの女性もそう。そしてこれがアルトマン監督の最後の作品。偶然なのでしょうか、それとも、監督には何となくわかっていたのでしょうか、予感していたのでしょうか、これが自分のラストの作品なのだと。「老人が死ぬのは悲劇ではない」と言う台詞も然り。 何もかも「ラスト」を示すこの作品に一抹の寂しさを覚えるのは確かですが、何故か不思議と気持ちは明るいのです。軽快なテンポで繋いでいく司会者のキーラー。全編に流れるカントリーミュージックやゴスペル、出演者が実際に歌っているのだとか。メリル・ストリープをはじめ、みんな上手いのに驚きました。そして、ケヴィン・クラインが時々妙におかしいのも、観ている方がずっこけてしまいそうで楽しかったです。 第二の人生に向って歩き出そうとしている彼らのたくましさが見えるから、「ラスト」であってもそうでない「希望」が見出せるのです。 アルトマン監督を偲んで観るのにピッタリの作品のような気がします。 邦題も何てことないんだけど、何となく好き。 DVD A PRARIE HOME COMPANION 2006年 アメリカ 監督:ロバート・アルトマン 脚本:ギャリソン・キーラー 出演:メリル・ストリープ、リリー・トムリン、ギャリソン・キーラー、ケヴィン・クライン、リンジー・ローハン、ヴァージニア・マドセン、トミー・リー・ジョーンズ、ジョン・C・ライリー、マーヤ・ルドルフ、ウディ・ハレルソン 他 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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