|
テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:アメリカ映画
今日はアカデミー賞の発表がありましたね。どの作品も観ていないので全くわからないけど、WOWOWの番組ゲストの中では、助演、主演女優が意外だったようでした。 今夜NHK-BSで放送されるのが、アカデミー賞8部門獲得した『地上より永遠に』です。 第二次世界大戦直前。ホノルルの米軍基地に、ラッパ手のプルウィット(プルー)が配属される。彼は以前ボクシングのチャンピオンで、その事を知った中隊長はプルーに、ボクシングチーム入りを条件に下士官昇進を打診するが、ボクシングで親友を失明させたプルーはそのオファーを拒否する。その事から彼は隊で孤立し、上官からの執拗ないじめにあうのだが… 上の写真。波打ち際のキスシーンがとても有名な映画です。 イジメが本当に執拗で…。又、シナトラ扮するプルーの友人もイタリア系ということで差別され、ああ、アメリカって本当にすごい差別の国なんだ、って又もや思い知らされる事になります。 シナトラとプルーとの友情、プルーの恋愛、ランカスターと上官夫人との不倫、そして軍の中のイジメが絡み合って話は進みます。それにしても、真珠湾攻撃以前と言えど、こうも当時の日本とは違っていたのだろうか、と考えてしまいます。余裕度が違うのでしょうか。方やお国の為に家族や恋人を置き徴収され、方や不倫もあり、休日となればしょっちゅう飲み歩く軍人達。 友人が死に、愛する人はアメリカ本土に帰ることになり、ああ、もう軍なんてどうでもいいや、と思っているところに真珠湾攻撃。いや、これはならぬ、軍に戻ろう、アメリカの為に日本軍に立ち向かおう、と思ったのも束の間… 日本の戦争映画も、もちろんその背景にある国民の暮らしを織り交ぜて描かれているものが多い事は多いのですけど、アメリカの戦争を題材にした映画と、日本のそれとがあまりにもかけ離れていて、時にものすごく戦争に対しての両国の眼差しが違うように感じてしまう事があります。まあ、これがベトナム戦争を題材にすると、又違うのですが。 ただ本作は、対日本戦というよりも、同じ軍隊の中に敵がいる、誰も信じられなくなってしまうというどうしようもない虚しさが描かれていて、そこに惹きつけられてしまいます。ここでのモンゴメリー・クリフトは一匹狼で、最初からどこか切なくていいのですけど、彼のその後の人生を重ね合わせるとやっぱり切なくなるのです。 FROM HERE TO ETERNITY 1953年 監督:フレッド・ジンネマン 脚本:ダニエル・タラダッシュ 原作:ジェームズ・ジョーンズ 出演:モンゴメリー・クリフト、バート・ランカスター、デボラ・カー、フランク・シナトラ、ドナ・リード、アーネスト・ボーグナイン 他 DVD お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[アメリカ映画] カテゴリの最新記事
|
|