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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:アメリカ映画
≪大女優はちょっとの事じゃへこたれん!≫
サマセット・モームの「劇場」と言う原作ものの映画化作品です。 1930年代後半のロンドン。ジュリア・ランバートはイギリス演劇界の頂点に立つ女優。興行主兼舞台監督の夫マイケルとの結婚生活も順調。ひとり息子もイートン校を卒業する歳になり何不自由ない生活を送っていた。しかし、舞台に明け暮れる毎日に徐々に不満がつのっていた。そんな時、息子と同世代のアメリカ青年トムが彼女の前に現れて… 「仕事を休ませて!」と駄々をこねるジュリアにそっけなく仕事を強いる夫。老いていっていることもちゃんとわかっているし、少し休みたいのに! そう思っているところに自分のファンだと言う若い青年が現れて、そりゃあもう、気持ちは舞い上がる。私生活が充実すると俄然仕事も精力的になる。 あれよあれよと言う間に二人は深い仲になり、そして定石ながら...なのですが。でも、ラストなんて意地悪だけど、お見事!と言う感じです。 よる年波にあらがいながら、でも息子ほど若い男性に恋をして、可愛く振舞う様子にちょっと恥ずかしい思いで観ながらも、アネットのはしゃぐ仕草は可愛かったです。 男性もだろうけど、女性もある年齢に達すると鏡を見てため息が出てしまう時があるのですよね。皺も染みも出てきた、髪の毛にも白いものが混じり始めた・・・そのうちどんどん・・・ああ・・・などと。そんな時にちょっとでも胸のときめくもの、人に出会ったりすると、10や20は若返った気持ちになるんじゃないでしょうか。韓流スターに胸をときめかしていたあなたも、そうじゃないですか? そんな女心の微妙な揺れをアネットは上手く演じていました。 これで彼女はアカデミー賞主演女優にノミネートされたのですよね。 ただ、これイギリス人の役です。でもどうなんだろう?イギリス人俳優が演じていたらもっと抑える所は抑えて、感じが違ったのじゃないでしょうか。どうしてもアネットはイギリス人には見えませんでした。続けてヘレン・ミレンの[クイーン]を鑑賞したので、一段とその思いは強まってしまいました。夫役のアイアンズはこれまたしっかりとしたイングリッシュですからね。好演にも係わらず、そういう思いが残ったのも確かです。 音楽やインテリア、衣装、舞台の様子は見所多く、ストーリーとしてもありがちではあるけれど、おしゃれな作品でした。気軽に観るのにはいいですよ。 BEING JULIA 2004年 アメリカ/イギリス/カナダ/ハンガリー 監督:イシュトヴァン・サボー 脚本:ロナルド・ハーウッド 原作:サマセット・モーム 出演:アネット・ベニング、ジェレミー・アイアンズ、マイケル・ガンボン、ブルース・グリーンウッド、ミリアム・マーゴリーズ、ジュリエット・スティーヴンソン、ショーン・エヴァンス、ルーシー・パンチ 他 DVD 【決算祭だョ!洋画】華麗なる恋の舞台で デラックス版(DVD) ◆26%OFF! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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