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カテゴリ:アメリカ映画
これ好き! 何とも言えない不思議で、ちょっと怖くて、いかにも70年代の香りのする、アルトマン監督の感性溢れる作品だと思います。 カリフォルニア州パームスプリングスのリハビリテーション施設で働くミリー。ある日そこへテキサスからピンキーと言う見習いの女性(少女)がやって来て、ピンキーはミリーから指導を受けることになる。やがて2人はアパートで共同生活を始めるが・・・ まあ、70年代の雰囲気って今から思うと不思議って言えば不思議なんだけど、この映画はのっけからその不思議ワールドがジワジワ、ジワジワと押し寄せてくる感じ。リハビリテーション施設も老人専用らしく、みんな黙々とプールを歩いたり静かな雰囲気。そこで1人喋り続けるのがミリー。そこからもう私は変な世界に足を踏み込んでしまったような感覚に囚われる。双子の看護師も不思議。ミリーのアパートの住人達はミリーを無視し続け、それでも自信過剰の彼女は1人浮いている。そして又そこに充分大人なんだと思うんだけど、どう見てもすごく幼い少女のようなピンキーがやって来て、これもまたミリーとは違った意味で浮いている。。 そして、ミリーがピンキーを連れて行く街外れの酒場の夫婦。この妻の描く何とも言えない奇妙な絵がどうも引っかかる。 途中思わぬ方向に事は進み、ピンキーの両親がテキサスから出てくるのだが、これが又不思議な両親で・・・。 何か怪しい・・・絶対に・・・だ。と思えるラスト。 いや~、こんな事書いたってなかなか判らないでしょうけど、このサスペンスっぽくもあり、私にはどう考えたってホラーの要素もぎっしり入っているようなこの作品は、とにかく見てもらわなくちゃ判らない、としか言いようが無いです。 ただ、これDVD化されて無いみたいなんです。これは是非して欲しいですね。 私はかなり前にNHK-BSで観たんだけど、又観たいわ~。 とにかく女優が巧い。前半はミリーがストーリーを支配していますが、後半はピンキーでしょうか。シェリー・デュヴァルは『シャイニング』の印象が強いのですが、ここでのミリーは自信過剰で、浮いていて、でも孤独。ピンキーのシシー・スペイセクはやはり孤独、少し臆病、だけど途中から豹変する。その前後半で、2人ともそれぞれにジワジワと観ている側に忍び寄り、そして最後は心臓を掴まれてしまいそうな圧倒的な演技力で迫ってきます。 孤独や疎外感、嫉妬、謎もいっぱい。そんな中三人の女たちはどうやって関わっていくか、何故ラスト三人なのか。考えると又怖くなったりします。 全体に漂う倦怠感、音楽、小道具、ファッション、そのどれをとっても観始めたらやめられない、どっぷりとこの作品に浸ってしまいそうです。 それにしても、この演出の巧さ。アルトマン監督、凄い! 3 WOMEN 1977年 監督/脚本:ロバート・アルトマン 出演:シェリー・デュヴァル、シシー・スペイセク、ジャニス・ルール、ロバート・フォーディア 他 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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