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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:アメリカ映画
刑務所の強制労働から逃れる為に仮病を使ったマクマーフィーは、精神病院に送られてきた。しかし、病院は刑務所よりもっと悲惨だった。彼は何かにつけ規律を乱し看護婦長や病院と対立するが、いろんな方法で反抗する彼に、患者達も少しずつ心を取り戻していく。 このような精神病院を舞台にした作品は、この後もいくつもあるが、それらを観ていつも思うのは、一度ここへ足を踏み入れてしまったら、外の世界へ出ることは難しいという事。それは、自ら出て行くことが出来ても出て行かない、と言うのも含めて。 こういう場所では、ある程度管理しなければ仕方がないと思う。実際の所、もしマクマーフィーのような前科のある者が入院してくれば、彼のしたい放題させておくなんて事は出来ないが、一方で人間らしさを奪ってしまう事も。しかし、最後の手段としてロボトミー手術などと言う現在は禁止されている手術をしてしまうのは恐ろしいし、へこんでしまう。 あの場所から唯一自由になる権利を得たチーフ。バックサウンドも無く、病院をずうっと映し続け閉塞感の充満する映像だが、彼があの場所から・・・のシーンは爽快だった。しかし、その後の彼はどうなったのだろうか?自由になれたからと言って、必ずしも幸せになれるわけではない。 マクマーフィーは逃げようと思えば逃げられた筈なのにそうしなかった。そう、彼らはもうどこへも行けないのだ。 結局、又元通りの病院に戻り、そこで以前と同じ入院生活を送る患者達。 切なさが込み上げる。 カッコーは他の鳥の巣に卵を産み、ヒナたちを他の鳥に育てさせ、ヒナもそれらを親だと思って餌をもらうのだそうだ。本来居るべきではない場所に居てそれを疑わないヒナたち。つまり、タイトルのカッコーの巣は精神病院と言うこと。 それにしてもニコルソンはじめ、フレッチャーや他の役者達の個性と演技力には圧倒される。 ONE FLEW OVER THE COCKOO'S NEST 1975年 監督:ミロシュ・フォアマン 脚本:ボー・ゴールドマン 原作:ケン・キージン 出演:ジャック・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャー、マイケル・ベリーマン、ウィリアム・レッドフィールド、ブラッド・ドゥーリフ、クリストファー・ロイド、ダニー・デヴィート、ウィル・サンプソン、シドニー・ラシック、ヴィンセント・スキャベリ 他 カッコーの巣の上で(DVD) ◆20%OFF! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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