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カテゴリ:アメリカ映画
1930年代大恐慌時代のカリフォルニア。体は大きく怪力だが知的障害のレニーと、小柄だが頭が切れ博識のジョージは農場を渡り歩く日々を送っていた。新しい仕事先で、いずれ自分達の農場を持つ夢を語り合い、その夢が実現しそうなところまでになり、仕事に励む二人だったが・・・ スタインベックの小説の映画化作品で、未読ですがかなり原作に忠実に映画化されているとの事。 レニーには知的障害があり、それ故に失敗する事が日常茶飯事で、その尻拭いをさせられるのはいつもジョージでした。ウンザリしそうになる事もあるのですが、心優しく無垢なレニーはジョージを頼り、又そんなレニーをジョージは信頼していたのです。 淡々と進む前半から、何か起りそうな嫌な予感のする中盤へと進み、ラストに近づくにつれ大方の予想がつくのですが、やはりそうか・・・と、でも、そういう方法で…!と何とも切なく、悲しさで号泣してしまうのです。 現代に生きる私たちは、もっと他の方法がなかったのか?と思ってしまうのですが、あの時代のあの状態ではああするしかなかったのでしょうか。いつの時代も多かれ少なかれ強者と弱者の間の問題はありますが、特にこの時代のそれは現代とは比較できない程の力関係の差はあったのでしょうけど。 そして、親友だからこそ、ああしたのか、親友だからこそ他の方法がなかったのだろうか、とも考えます。自分ならどうしただろうか。ものすごく難しい問題です。レニーのやってしまった事は罪には違いないのですが、愛するものに自分で手をかけると言う事は・・・ 現代の老人介護で疲れ果てて親を殺したりしてしまう事件がフッと頭をよぎってしまいます。 ストーリー自体、特にラストの結末はいろいろ考える所がありますが、カリフォルニアの乾いた大地に起る出来事の中の細かい演出も見事ですし、何と言ってもジョン・マルコヴィッチとシニーズの演技はもう満点。ジョージのラストのあの眼差しを思い出すと、又複雑で悲しい気持ちになってしまいます。 そんな作品ですが、やっぱり一度は観て欲しい映画です。 OF MICE AND MEN 1992年 監督:ゲイリー・シニーズ 脚本:ホートン・フート 原作:ジョン・スタインベック 出演:ジョン・マルコヴィッチ、ゲイリー・シニーズ、レイ・ウォルトン、シェリリン・フェン 他 二十日鼠と人間 / ジョン・マルコヴィッチ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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