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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:アメリカ映画
アメリカンニューシネマの代表作の一つ。 初めて観たのは、多分小学生高学年か中学生の頃テレビで。 映画雑誌ではとても話題の映画でしたが、正直面白くなかった、と言う印象はあります。でも、それはそうでしょう。この映画が作られた1969年当時のアメリカの事なんて知るはずもない小学生か中学生の頃に観たって、その意味は全然分からなかったのは当然。 実は一昨年くらいになんか観たくなって、今度は自分で進んで観たのですが、もちろんその時は又印象が全然違います。その当時のアメリカの背景、時代の流れを追っていくことの出来るようになった今となって観たのでは違う感想を持つのは当然です。 物語は、マリファナで儲け大金をバイクのタンクに隠し、真のアメリカを求めてオートバイで旅に出るワイアット(ミスターアメリカ)とビリーのロードムービーです。監督はビリー役のデニス・ホッパー、製作にワイアット役のピーター・フォンダ。 最初に観た時は意味はよく分からなかったものの、ピーター・フォンダを「カッコイイ」と思ったのは覚えています。ちょっと無口なカウボーイ風で。デニス・ホッパーはチョイ悪そうなヒッピーで。そして、ここでは当時無名だったジャック・二コルソンがいい味出しています。出番は少しなのですが、かなり強烈な印象を残します。これでブレイクしたのですよね。 今観ても色褪せないのは、こういう問題は普遍的なものだからなのでは。でも、最近オートバイ好きの20代前半の男の子達とこの映画の事を話す機会があったのですが、彼らもこの映画を観ていましたがどうも分からなかったみたいです。当時のアメリカや世界の流れなどを知らないと、そして比較的裕福に育っていれば今の若者には理解しがたいのかもしれません。まあ、ドラッグで儲けたお金を持って、「もうこの国には良心はない」と言うのもちょっとおかしな話ではありますが。 当時アメリカは、ケネディが暗殺され、ベトナム戦争は始まり、もうそれまでのアメリカンドリームを追い求められない国だったのでしょう。真のアメリカ、良き時代のアメリカを求めて旅立った二人ですが、もうそんなものはどこにもなく、余所者や自由を謳歌している者には、又自分たちと違った価値観を持つ者にはとことん排除しようとする保守的な人たち。 印象的な台詞がいくつかありました。 「自由と言いながら、実際自由な人を見るとそれにおののく」 「自分たちの自由を守るためには殺人もする」 異質なものに対してアレルギー反応を起こすのは日本も、どこも同じくあると思うけど、違うからと言って殺しまでするというのは…。 アメリカという国は、自分の価値観や自分が思う正義しか認めない国なのだと、昔も今もそうなのか、と改めて思いました。 ジャック・ニコルソンはしっかりとハリウッドで自分の地位を築き、未だ健在。 デニス・ホッパーは死んでしまった。 ピーター・フォンダはどうしているのだろう。 “Born To Be Wild” をはじめとする劇中に流れるロックと映像がカッコイイ。 アウトローで、自由に憧れ自由を謳歌し、だけど行き着くところはこれぞアメリカンニューシネマと言うエンディングが物哀しい、そんな作品。 EASY RIDER 1969年 監督:デニス・ホッパー 脚本:デニス・ホッパー、ピーター・フォンダ 出演:ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン、アントニオ・メンドーサ、カレン・ブラック 他 【中古】【DVD】イージー・ライダー コレクターズ・エディション洋画 【送料無料選択可!】イージー・ライダー ~オリジナル・サウンドトラック リマスター・エディション / オムニバス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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