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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:アメリカ映画
地方紙の記者ボブは妻と幸せに暮らしていたが、その妻が編集長と浮気をして去ってしまった。傷心のボブは、戦争が始まったばかりのイラクへ取材に行く。以前、「見つめるだけでヤギを殺せる」と言うリン・キャシディという男の話を聞いた事があったが、ばかばかしい話だと思っていたその男に、何とそこでその出会ったのだ。ボブはリンにしつこく迫って話を聞くと、彼の目的はビルと言う男を救出する事だと言うのだが… 面白かったです。ただ、好き嫌いは分かれる作品だと思います。脱力系の戦争もの、とでも言いましょうか、信じられないような話ですが、これが実話に基づくというのですから何と言ってよいのやら。とにかく、有名実力派俳優たちが、この何とも不思議で、本気だろうか、と思えるような、でもノンフィクションを基にした作品ということで、信じられないような事を、大真面目に演じている、それがおかしいのです。 超能力を真面目に研究し、それを軍事に利用しようとしていたなんて、旧ソ連や中国なんかだとあり得ると思えるのですが、アメリカでも!? ヴェトナム戦争のトラウマで、ニューエイジ思想と言うものがアメリカ軍に起こり、超能力を使って敵を傷つけることなく勝つ、と言うものだそうですが。 映画では、その超能力部隊が「新地球軍」と呼ばれるもので、その計画を「ジェダイ計画」と呼びます。まあ、そのジェダイの騎士がここではリン役のジョージ・クルーニーなのですが、記者のボブ役がユアン・マクレガ-。ご存知『スター・ウォーズ エピソード1』でオビ=ワン・ケノービを演じたユアンにクルーニーが、「私はジェダイだ」とか、フォースが何たるか、を説くシーンは笑えます。 クルーニーが、時に長髪になりヤギをジ~ッと見つめて大真面目なのがおかしい。そして新地球軍創始者役のジェフ・ブリッジズ、ヒッピー崩れで花を「手に世界に平和を」と真剣にヤギを見つめて殺す、壁を通り抜けられると、軍のいかつい大男たちに説いていく姿がかわいい!そして、やっぱり笑える。 又、敵役のケビン・スペイシー。こういうちょっと嫌味な役をやらせたら右にでる者はいないんじゃないでしょうかね。そして、振り回されてちょっと情けないボブ役のユアン。こんなにはまり役もないのではないでしょうか。とにかく、誰が主人公、と言うよりも、これだけの豪華キャストでそれぞれの個性が存分に発揮され、でもお互いに邪魔をしていないのが凄い。それからもう一人、先日書いた『アバター』ではとっても憎たらしかったスティーヴン・ラングが、ここでは乙女みたいにおめめキラキラさせておかしいのなんのって。同じ軍服なのに全然違うのが面白かったです。 とにかく、これは役者ありきの映画だと思います。ただ、内容としては奇想天外な展開ながら、もちろん反戦映画でもあると思います。そして、笑ってばかりもいられない、考えると恐ろしくもあります。目を見ただけで相手を殺す方法なんて。すごく真剣な話を、皮肉たっぷりに描いているとも言えるかもしれません。これは俄然、基となった本を読みたくなりました。 THE MEN WHO STARE AT GOATS. 2009年 アメリカ 監督:グラント・ヘスロブ 脚本:ピーター・ストローハン 原作:ジョン・ロンスン 『実録・アメリカ超能力部隊』(文春文庫) 出演:ジョージ・クルーニー、ユアン・マクレガー、ジェフ・ブリッジズ、ケヴィン・スペイシー、スティーヴン・ラング 他 【26%OFF】[DVD] ヤギと男と男と壁と 【送料無料】実録・アメリカ超能力部隊 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.09.22 17:28:52
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