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2014.06.04
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カテゴリ:ふる里忘れがたく

 

      …てなことを一度書いてみたかったの。ごめんごめん…m(_ _;)m


      病院へ行きました。しかも私の田舎の、継いでいるかどうかは知らなかったけど、私の同級生の実家

      の病院。お見舞いかって?いえ私、熱中症&冷房病だったみたい。ちなみに継いでいたのは、同級生

      じゃなく3歳下の弟さんだった。


      それにしてもなぜ田舎かと言うと、​この記事​​に書いたおばちゃんが亡くなった連絡をもらったので。

      思えばこの記事の中に書いたように、もしも3月に母の遺骨を田舎へ持って行かなかったなら、私には

      訃報の連絡はなかったかもしれないと思うと、海洋葬の前に持って行く決断をしたこと。その実行が母

      の死後1年以上経ってからだったため、たまたまおばちゃんの入院を私が見舞い、それからさほど間

      を空けずに亡くなったからなんだろう。子どもの頃の事であっても、私がおばちゃんには本当にお世話

      になったと感じていることを、3月母の兄弟姉妹たちに伝えていた。あの時に行って、本当に良かっ

      たと思う。


      バタバタと田舎へ行く準備を始めた。30、31日と冷房が効いた場所と外とを出入りすることが続いた。

      私はどうもこれがあると途端に体調を崩す。まだ冷房はキンキンではなかったが、外気温が異常に高

      いので結局温度差は生じてしまう。その頃まとまった睡眠がとれておらず、精神面も下降気味だった。

      31日夕方から発熱し、吐き気に下痢にめまいや食欲減退。すでにホテルは予約済で荷物も送ってし

      まった。普段滅多に発熱しないので、この状態は何だろう…と思った。


      ふと、28日に起こった強い痛みのこむら返りのことが気になり、そういえばこむら返りとは、何が原因で

      起こるのか?とググってみたら、え!熱中症でも起こるってある。あ~、最近夜中に目が覚めると、い

      つもならトイレに行きたくなるのにならないので、それもなんでだろうと思っていた。つまりは、水分が足

      りなくて脱水状態だからで、すでに熱中症に罹ってしまっていたということ。そういえば暑いのに、なん

      だか汗をかかないなぁ。全てがガッテン!ガッテン!しかし、これは本当に困った。酷くなれば死に至る

      病気。今すぐに水分を補給したとて、そう簡単に回復するわけがない。冷房病とのダブルパンチ。どち

      らも自律神経系が関係した病。さあ、こりゃ困った…。


      いつもの薬に加え、もらってあった精神科の頓服を初めて服用。3日間、どうか私をよろしくと "マスタ

      ー" やあの世の皆さんにお願い。アイスノンを枕に、凍らせてある500mlのペットボトルで頸部を冷や

      し、ぐったりと眠りに落ちていった。
 

      幸い5時間くらいまとめて眠れた。体のだるさは残っていたが、平熱で前夜の不調は影を潜めていたの

      で、1日に出かけることができたのだった。1年に2度も田舎へ行くなんて、初めての事だった。田舎が近

      づくにつれ変わっていく車窓の景色に、心から癒された。ふる里の駅に降り立った時、私の不安は跡

      形もなく消え去っていた。遠くに折り重なる稜線と、視界を勝手に侵食する忌々しい高層の建物のな

      い、どこまでも広い空。


      言い方を変えると、時間に取り残されたような街並みと、所々記憶と合致しない通りの風景とが入り混

      じる。この場所は、建物の外壁の色彩などの変更には、市へ事前の問い合わせが必要らしい。景観計

      画区域になっていることを、皮肉にも私の実家の固定資産税の納入通知で知った。


      2日、午前8:30までに斎場へ向かう。私の姿を見て従兄弟のMちゃんが、「結ちゃんが来てくれた」と妹

      のM美ちゃんに言う。「良かった、まだおふくろここにいるんだ。顔を見てやって」とMちゃん。火葬場の

      都合で、葬儀の前に荼毘にふすことになったんだそうだ。死に化粧を施されたおばちゃんは綺麗だっ

      た。娘のM美ちゃんの発案で、あの世で待っているおじちゃんにもう一度嫁ぐようにと、真綿で花嫁衣

      装を作り、着せかけてあるのだそうだ。桜色の紅に今時のグロスがよく似合っていた。


      「綺麗だねぇ」と言うと、Mちゃんが「写真を撮ったら不謹慎かな。最後の綺麗な顔を残したいんだけど」

      なんて言ってる。伯母ちゃんたちが何も言わないので、「やっぱ不謹慎かな」ってまたMちゃん。

      よほど撮りたいんだね。


      「いいのよ。外国じゃバンバン普通に撮るらしいよ。別に誰に見せるわけじゃないんだし、後で撮らなか

      ったことを後悔するより撮った方がいいよ」と言うと、そうだねと。「やっぱり携帯じゃ綺麗には撮れない

      なあ」なんて言っていた。するとM美ちゃんも携帯を取り出して撮っていたっけ。M美ちゃんも撮りた

      かったんだな。この後に待っている喪失感を乗り越えるのに、その写真が役に立つかもしれない。


      本当は、写真に撮らなくても、脳裏に焼き付いて離れないものだよって教えてあげた方が良かったの

      かな。わかんないや…。ただ、Mちゃんがやりたいようにするのが一番だと思った。


      ふざけているわけじゃない。やさしかった愛しい母親の最後の姿を写真に残すことの、何が不謹慎なも

      んか。でも、Mちゃんがためらいもしないで平然と撮りまくってしまうような人でなくて、私はうれし

      かった。躊躇わせたのが道徳心なのか信仰心なのかはわからないけれど、これが元来の日本人の感覚だ

      と私は思う。


      「外国じゃバンバン普通に撮るよ」それは、アメリカのグリーン・カードを取得するために働いていた亡

      夫の親友が、私に言ってくれた言葉だった。最後の入院の時、カメラを病室へ持って行っていたんだけ

      ど、痩せ細った人と病室で写真を撮りたいなんて、誰も思わないかなと言ったら、彼がそう言ったのだ。

      結局、その親友との写真しか撮れなかったけど。


      目は二度と開かない。その口は動かない。頭でわかっていても、母の形をとどめた肉体は、温もりは失

      っても触れればそこに存在する事実。そこから心は引き離し難い。母の魂の存在を感じていた私でさ

      え、肉体との最後の別れはまるで、母の魂ごと窯で焼かれて無くなってしまうかのように、滂沱する涙

      と嗚咽を抑えることはできなかったものだ。


      ああ、今思った。魂を信じられるということは、その人の肉体がこの世から消え去っても、消えないもの

      があるという一つの安堵になりはしないか。非科学的であるから、そう伝えたところで、それを信じら

      れるかどうかはその人次第なんだけれど。何というか…抽象的なことでも、宗教的なでもなくて、「魂とい

      う物質」があるんだというくらいに。でも、たぶんこれからMちゃんもM美ちゃんも、「見守られているとし

      か思えない体験」を必ずするはず。気づくかどうかには、個人差があるかもしれないけど。


      「魂とかあの世なんて言ってる時点で、それもう宗教でしょう」っていうのは違うんだと力説したいところ

      だけれど、どうしたってそこから宗教色を切り離すことは困難だと思う。実際にそういう不可思議なこと

      から宗教が発生したんであろうから。

あなたに熱中症-2-

 ★ Eric Benet - Still With You ★






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最終更新日  2018.08.30 02:46:10
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