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2007年02月09日
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カテゴリ:

辻仁成の97年上半期芥川賞受賞作品。

この小説はいい。
「私」の心の中の叫びで物語は進んでいくのだが、
その状況がまるで映画のスクリーンに映し出されるように見えてくる。
「私」の心の描写が素晴らしいと思う。



「私」は廃航せまる青函連絡船の客室係を辞め、
函館で刑務所看守の職についていた。
そこに、子供の頃、残酷に「私」をいじめで苦しめ続けた「あいつ」が、
傷害罪で銀行員の将来を棒にふった受刑者となって現れる。

「いじめられた者」と「いじめた者」それが今「監視する者」と「監視される者」という
立場で再会をする。

「私」はいじめられながらも、人望の厚い「あいつ」の偽善を見抜き、
刑務所でもその「偽善」を暴露する機会を逃さぬように、
いつも「あいつ」を監視し続ける。



人とは不思議な物である。

刑務所という閉鎖された空間の中でしか生きていけなくなった弱い立場の
「あいつ」のはずなのに
「私」はいつも「あいつ」の持っている何かに圧倒されている。
「私」はずっと「あいつ」の存在に翻弄されている。

心に深く残る作品の1つである。







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最終更新日  2007年02月09日 16時01分46秒
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