初夢
私は妊娠していた。『嗚呼、とうとう想像妊娠してしまったのだ』と悲しく思った。何時の間にか病院に居た。「陣痛がきてますよ、大丈夫ですか?」心配そうに女医が言う。そういえば心なしか腹が痛む。これは想像妊娠ではないのか?それはジワジワと急速に確実に広がっていった。痛い。苦しい。息が出来なかった。「頑張ってください」寝台の上で足を最大限まで広げ、息を整えようとした。その寝台は当然カーテンで仕切られていたのだが、その向こうから突如知った声がした。学校の生徒だ。痛みに支配される中、頭が真っ白になった。「っぁうううぅ…」確かそう痛みに呻いた。この声に心当たりのあったらしい外の誰かがカーテンを開けて、分娩中を全員に目の当たりにされた。真っ白になった。