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2006年10月04日
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カテゴリ:連載小説

 

 

 ところで、お前はなんで女郎に身を落としたんだって?

 旦那、よくぞきいておくれだねえ。

 話が横道へそれたついでに、それじゃあ、私の身の上話でも

 しましょうかねえ。

 さっきも言ったように、長橋中尉には片思いのままだったけど、

 私にほれ込んだ男がでてきましてね。

 私も憎からず思うようになった。

 その相手っていうのが、四谷の呉服屋の若旦那でね、

 浩太郎ってえ名だった。

 ちょうどその頃、私に旦那をとるって話がふってわいてねえ。

 いやさ、60歳前のじじいが私の旦那にって名乗りでたんだよ。

 私がまだ19にもならないっていうのに、あんまりって言えば、

 あんまりだよねえ。

 そいつは、麻布の米屋でたんまりお金のある奴だったけど、

 私にすりゃあ、身の毛もよだつほどいやだったよ。

 浩太郎が私にホの字だったのは、通いはじめの頃から

 ぴーんときて、わかっていたんだよ。

 だから、私は浩太郎に旦那をとらされるって話を打ち明けた

 ってわけよ。

 そしたら、浩太郎は、血相を変えたよ。

 「そんなことは、この俺がさせやしない」

 って、浩太郎は真剣になって言うじゃあないか。

 さすがに、うれしかったよ。

        (続く)

 






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Last updated  2006年10月04日 16時27分37秒
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