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テーマ:ショートショート。(573)
カテゴリ:ショートショート
ドクター竹田の診察室にいかにも気のよわそうな中年男が 駆け込んできた。 「先生、私は恐妻家なんですが、 近頃ほとほと嫌気がさしましたよ。 うちの鬼嫁が怖くって、怖くって!」 「そんなに怖いんですか? 困ったものですねえ」 「で、なんとかなりませんか」 「じゃあ、透明人間になるお薬を出しましょう」 「私が透明人間になるんですか?」 「そうしたら、奥さんにも見えないでしょ」 ドクター竹田の出してくれた薬を飲んでみたら、 すこし気が大きくなってきた。 鬼嫁の顔が、まともに直視できるようになってきた。 もっとも、まだ透明人間にはなったわけではないのだが・・・ (完)
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Last updated
2006年10月15日 16時00分53秒
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