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テーマ:親子の法律関係(34)
カテゴリ:親子
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Q3.推定の及ばない子(表見嫡出子)とは何ですか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ A3. 一.嫡出推定が不自然な場合 1.民法772条(嫡出の推定) 1項 妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定する。 2項 婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。 2.形式的には、772条に該当してもその推定が及ばない場合があります。たとえば、子どもは、確かに婚姻後200日以内に生まれたが、懐胎可能な期間は、夫は刑務所に収監されていてそもそも妊娠が不可能であった場合などです。 3.このような子を推定の及ばない子とか表見嫡出子と呼んで、推定される嫡出子と区別しています。 4.たとえば、夫の海外赴任、服役、事実上の離婚などの事例です。 5.事例 A女は、B男と結婚したが、しばらくして不仲となって別居した。 その後離婚するまで、2年余りにわたってAB間の関係はまったく途絶えて、事実上の離婚状態となった。 AはBと別居後、芸者として働き始めたが、客として知り合ったC男に経済的援助を受けつつ肉体関係を持つようになった。 AはBとの離婚後半年弱でDを出産した。約10年後AとCの別れ話がこじれる中で、DからCに対して認知請求がなされた。 これに対しCは、AにはBの嫡出推定が及んでいると主張した。 Cの主張は認められだろうか。 6.最判昭和44年5月29日民集23-6―1064) 要旨: 「 離婚による婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子であっても、母とその夫とが、離婚の届出に先だち約二年半以前から事実上の離婚をして別居し、まつたく交渉を絶って、夫婦の実態が失われていた場合には、民法七七二条による嫡出の推定を受けないものと解すべきである。」 7.つまりDは推定の及ばない子とされました。 8.しかし、判例は全体的に見ると推定の及ばない嫡出子の認定には、比較的慎重な態度をとっています。 次回は親子関係不存在確認訴訟について ・・・つづく ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 人気ブログランキングに参加しています。応援宜しくお願いします。 ポチッ! 人気blogランキングへ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 離婚・相続等の法律問題でお困りの方は↓ 櫻井法務行政書士オフィス ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.12.15 17:01:50
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