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カテゴリ:亡国のイージス
「押し返そうと必死で銃口を突き付ける風間は、汗と涙にまみれた顔で、「せ、正義だ。正義なんだよ・・・!」と、同じ言葉を繰り返すだけの人形になっていた。腹に突き付けられたクルツの銃身をわしづかみにして、仙石はそれを力任せに風間の手からもぎ取った。「こんなもんに頼らなきゃなんにもできない正義なんて、正義じゃねえ・・・!」」(文庫本下巻415ページ)
ここでも作者はやはり非武装を願っているのだろうか?と感じてしまいます。 理想はそうだと思いますし、日本は終戦直後はその路線になるはずたったと思うのですが。。。 正義は武力でしか勝ち取れないものだとは思いたくないし、思えません。 世界では紛争が絶えず、武力なくして平和も正義も食べるものもないのかもしれません。 日本が戦後60年、戦争と無縁でいられたからといって、これから未来永劫戦争がおこらないとも、内戦がおこらないとも限りません。 国防、安全保障ということを考えたら、武装は必要なのかもしれません。 しかし、武力は必ずしも平和、正義のために使われるとは限らない怖さがあることを十分理解できていないと取り返しが付かなくなるような気がします。 少なくとも、日本は世界からは最先端の平和憲法を持つ国と尊敬されています。 自衛隊という曖昧な存在も、専守防衛に徹した法律でがんじがらめにしているからこそ日本は戦争を放棄している国として認められているのだと思っています。 これを撤廃したら、世界の日本を見る目、世界の平和に対する取り組みが大きく後退してしまわないかを心配します。 また、イラク戦争は「正義」をふりかざして起こされたものの、その正義がどこにあったかは未だに証明されていません。 「勝てば官軍」の言葉通り、間違っておこされたと思われる戦争を仕掛けた側、勝った側の責任が問われることもない。 武力を持つということは、間違った戦争を起こしてしまう可能性も持つということで、それを防げるだけの国としての確かさ(?)がなくてはならないト¥思いますが、今の日本の政治にそれを求めるのは余りにも。。。 「武力行使に頼らなくちゃならない正義なんて、正義じゃない」 坂本竜馬は、世界でも例を見ない無血での革命=大政奉還を成し遂げるのに大きな役割を果たしました。 坂本竜馬は、常に「誰も血を流さずにすむ方法」「戦争を起こさないですむ方法」を考えながら行動し、それを実行したのだと思います。 そして、それに権力を持つ人も応えた。 残念ながら志半ばで暗殺され、その後はしばらく内戦が続くことになりましたが。。。 坂本竜馬は、武力行使に頼らない正義が実践できるということを教えてくれていると感じます。 彼のような精神で、万一憲法9条を改正しても、武力行使はとことん我慢できる日本であってほしいと願います。 そのためにも、日本の安全保障の根幹と思われる食料自給、エネルギー自給の問題に付いて、もっと積極的に対応が必要だと思いますし、敵を作らない外交姿勢が求められるのだと思いますが。。。 余談ですが、坂本竜馬的な発想をすれば、日本の財政がこれだけ切迫している時に、たかが郵政民営化法案1法案に反対しただけの党員を除名するなんてそんな悠長なことをやってる場合ではないのでは?と感じます。 本当に切迫した状態なら、日本を変える力を結集することが望まれる姿のはずで、与党も野党もなく、人材をフル活用すべきと感じてしまいます。 この大事な時に使い物になりそうもない議員がどれだけ増えたことか。。。 自民党は執行部がすべてを決める党なので、数だけあればいいのでしょうが。。。 自民党を見ていると、とてもそこまで切迫している様子は感じられません。 ということは、本当はそこまで切迫していないのかもしれません。 不安をあおって、何かに誘導しているだけなのかも。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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