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しろうと自然科学者の自然観察日記

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2017.06.12
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カテゴリ:山野草
☆「こもれびの丘」では、シャガの花が咲いていました。1週間ほど北海道に出かけているため、5月初めの昭和記念公園での自然観察を掲載しています。(2017年5月5日撮影)。
  • シャガ01.JPG

  • ☆シャガは、本州・四国・九州の湿った林などに生えるアヤメ科アヤメ属の多年草です。
  • シャガ02.JPG

  • ☆シャガは、人里近くに多いので、日本には古くに中国から渡来して野生化したという説があります。日本のアヤメ科の中で唯一の常緑種です。3倍体で種子ができないので、人の手によって広がってきたと考えられているそうです。
  • シャガ03.jpg

  • ☆シャガは、花茎が上方で分岐して、多数の花をつけます。
  • シャガ04.JPG

  • ☆シャガの花は、一見すると3種類が各3枚、合計9枚の花びらがあるように見えます。
  • シャガ05.JPG

  • ☆シャガについては、花のつくり・構造にこだわり調べてきました。
    (1)外側にあり青紫色とオレンジ色の模様があるのは、3枚の外花被(萼に相当)です。
    (2)その内側にあり細長く先端が2つに分かれているのは、3枚の内花被(花びらに相当)です。
    (3)さらに内側に見え、花びら(花被片)だと思っていたのは、3本の雌蕊花柱でした。
  • シャガ06.JPG

  • ☆外花被は、花の一番外側にあり、青紫色とオレンジ色の模様があります。縁には細かい切れ込みがあります。外花被の中央にはオレンジ色の斑点と鶏冠(とさか)状の突起があり、それを取り囲むように紫色の斑点があります。
  • シャガ07.jpg

  • ☆内花被は、外花被の内側にあり、薄い紫色でやや細長く、先端が浅く2つに分かれています。
  • シャガ08.jpg

  • ☆3本の雌蕊花柱は、それぞれ先端が大きく2つに分かれ、さらに先端に細かく裂けたブラシのような突起・付属体があります。この部分は花柱枝(かちゅうし)と呼ばれ、雄蕊を隠して保護し、蜜を目指して花の中に入ってくる昆虫にうまく花粉がつくようなトンネルを作る役目を果たしているそうです。
  • シャガ09.JPG

  • ☆雌蕊花柱をよく見ると、下の方に雄蕊の花糸と花粉がでている葯があります。雄蕊の葯の上、ブラシのような突起になっている花柱枝の付け根に、手前に折れ曲がって見えるものがありますが、これが雌蕊の柱頭です。昆虫が蜜を食べるために花に潜りこむときに、花柱枝が昆虫に付いた花粉をかき取り、花粉が下にある雌蕊の柱頭に付くという巧妙な作りです。ただし、3倍体なので種子はできません。
  • シャガ10.JPG

  • ☆シャガ(射干、著莪)の名は、漢名の「射干」を音読みしたものですが、漢名で「射干(やかん)」は本来ヒオウギアヤメ(檜扇菖蒲)のことで、葉が似ているので間違って付けられたらしいとのこと。
  • シャガ11.jpg

  • ☆シャガの花言葉は、「反抗」「抵抗」「決心」「私を認めて」「友人が多い」「清らかな愛」などだそうです。「反抗」は剣状の鋭い葉や陽光を避けて日陰で花を咲かせることにちなむともいわれ、「友人が多い」はタネができず地表を這う根茎を伸ばして群落を形成することに由来するといわれているそうです。





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    Last updated  2017.06.12 06:00:15
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