花の終わりの時期のタカオスミレ。春のスピードが速すぎる高尾山。
☆個人的な事情で今年は高尾山の植物観察に行くことができませんでしたが、タカオスミレだけは観察したいと思い、急遽高尾山を短時間訪ねました。なんと、4月が始まったばかりなのに、タカオスミレは花の終わりの時期でした。(2023年4月8日撮影)。☆花の終わりの時期になっていたため、タカオスミレの特徴である葉の表面の黒紫色・暗赤褐色・こげ茶色は、薄くなりかけていました。◎そこで、4年前2019年の4月中旬に観察した「しろうと自然科学者の自然観察日記」を再録して紹介することにします。※一部修正※☆4月15・16日、東京都八王子市の高尾山に植物観察(5回目・6回目)に行きました。その内容を順次紹介しています。タカオスミレの花です。(2019年4月15・16日撮影)。☆タカオスミレは、ヒカゲスミレの品種で、谷筋の落葉樹林など湿り気のある半日陰の林縁に生えるスミレ科スミレ属の多年草です。高尾山で多く観察できますが、他の地域にも分布しています。☆高尾山で、たくさんのタカオスミレを観察することができました。☆タカオスミレの葉は、花の時期に表面が黒紫色・暗赤褐色・こげ茶色になります。株によって、表面の色や濃度は異なっています。☆タカオスミレの葉は卵形で先が尖り、基部は湾入しており、葉脈の部分が凹んでおり葉に凹凸があります。全体に毛が多く、花柄や葉柄には白い毛がありますが、この写真でも葉の周りに毛が見えます。☆この写真では、葉柄に毛があるのがわかります。☆タカオスミレの花期は4~5月で、花弁は白く、唇弁はもちろんですが上弁と側弁にもわずかに紫条があります。側弁基部には、毛が目立ちます。雌蕊柱頭は、カマキリの頭型です。☆タカオスミレの距は、細長く淡紫色です。萼片は幅が広く、付け根から付属体が花茎方向に張り出しています。萼片の付属体には切れ込みがあります。☆タカオスミレ(高尾菫)の名は、高尾山で最初に発見されたことから名づけられました。☆タカオスミレは、花が終わると表面の黒紫色・暗赤褐色・こげ茶色はほとんど消えてしまい、ヒカゲスミレとの見分けはむずかしくなります。☆スミレ類の記事作成にあたっては、次の資料を参考にしました。(1)『増補改訂日本のスミレ』(写真・解説/いがりまさし、山と渓谷社、2004年)(2)『スミレハンドブック』(山田隆彦著、文一総合出版、2010年)(3)『高尾山全植物 草・木・シダ1500種』(山田隆彦著、文一総合出版、2018年)