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しろうと自然科学者の自然観察日記

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2017.12.01
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カテゴリ:山野草
☆9月25日から28日まで、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺などで自然観察をしました。静岡県富士宮市での自然観察を紹介しています。シモバシラの花です。シモバシラの花については9月14日の日記「シモバシラの花。【高尾山での自然観察・その7】」で紹介しており、重複している記事があることをお断りしておきます。(2017年9月26日撮影)。
  • シモバシラ01.jpg

☆シモバシラは、本州(関東地方以西)から九州の山地の木陰に生えるシソ科シモバシラ属の多年草です。学名はKeiskea japonicaで、属名の「Keiskea」は幕末から明治時代の植物学者伊藤圭介の名にちなみ、種小名の「japonica」日本の固有種であることからつけられているそうです。
  • シモバシラ02.jpg

☆シモバシラの葉は対生し長楕円形で、縁に切れ込みが浅い鋸歯があります。対生する葉の葉腋から花穂を出します。茎の先端の花穂は花が終わっていますが、それ以外の花穂はつぼみが膨らみ始めたところです。シモバシラの茎は四角形で堅く、枯れた後の真冬にはこの根元に霜柱ができます。
  • シモバシラ03.jpg

☆シモバシラの花穂は、水平に伸びている茎の対生する葉の葉腋から真上に伸び、花序が立ち上がった姿に見えます。開花している花穂とともに、一番後ろに見える花穂はつぼみが集まっているのがわかります。
  • シモバシラ04.jpg

☆シモバシラの萼は釣鐘型で、先端が5つに分かれています。
  • シモバシラ05.jpg

☆シモバシラの花は上下2つの分かれている白い唇形花で、よく見ると上唇が2つに分かれ下唇が3つに分かれているのがわかります。下唇には細長い毛があるのがわかります。雄蕊は4本で、花冠から突き出しており、下の2本が長いのがわかります。左右の花の花冠から、先端が2つに分かれた雌蕊が突き出ているのが見えます。
  • シモバシラ06.jpg

☆一つの花の中で雄蕊の長さや形が異なるものを、異形雄蕊というそうです。4本の雄蕊のうち2本が長く左右対称に上下1対ずつに配置されているものは、二長雄蕊(二強雄蕊)といい、シソ科やゴマノハグサ科に見られるそうです。
  • シモバシラ07.jpg

☆他の花穂を見てみると、雄蕊の葯が目立たず、先端が2つに分かれた雌蕊が突き出ているのが目立っています。シモバシラの花は、雄蕊が先に熟し花粉を出し終わった後に雌蕊が熟して受粉する雄性先熟なのでしょうか。
  • シモバシラ08.jpg

☆シモバシラの茎は冬には枯れてしまいますが、枯れた茎の導管に水が吸い上げられ、外気温が氷点下になると導管内の水が凍って霜柱ができます。3年前の12月に観察したシモバシラの霜柱です。シモバシラ(霜柱)の名は、この現象に由来します。別名は、ユキヨセソウ(雪寄草)です。(2014年12月19日撮影)。
  • シモバシラ09.JPG

☆シモバシラの花言葉は、「健気」だそうです。「健気」とは、しっかりしていること、勇ましいことですが、真冬の寒さの中で枯れた茎の根元に美しい氷の結晶の霜柱を作っている様子から付けられたのでしょうか。
  • シモバシラ10.JPG





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Last updated  2017.12.01 09:27:24
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