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カテゴリ:山野草
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[5]】はフウロソウ科の植物です。第7回は、エゾフウロです。(2017年6月14日撮影)。
☆エゾフウロは、ハクサンフウロの変種で、北海道や本州(東北地方)の山地に生えるフウロソウ科フウロソウ属の多年草です。 ☆花や葉の形からハクサンフウロかと思いましたが、北海道に自生していることと萼片に密に開出毛があることから、エゾフウロとわかりました。 ☆エゾフウロは、草丈が30~80センチで、葉は幅5~10センチで基部近くまで掌状に5つに深く裂けており、さらに細く裂けています。 ☆エゾフウロの花茎の先につく花は、直径3センチ程で紅紫色です。花弁は5枚で、濃い紫色のスジがあります。エゾフウロは「花弁が重なっている」という記事を見かけましたが、この花は花弁が重なっていません。変種の中でも変異があるのでしょうか。 ☆エゾフウロの雄蕊は10本です。花糸と葯は濃い紫色ですが、花糸の下の方は白くたくさんの毛が見えます。フウロソウの仲間は雄性先熟で、雄蕊が先に熟して花粉を出します。 ☆雄性期から雌性期に変わる頃には、雄蕊は花粉を出し終えて葯が落ちてしまいます。そして、雌性期には雌蕊が熟して柱頭が5つに分かれ、他の花の花粉で受粉します。自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)します。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。 ☆エゾフウロ(蝦夷風露)の名は、蝦夷(北海道)に生えるフウロソウ(風露草)から。フウロソウ(風露草)の名の由来は、出入り口が1箇所だけで周囲が木で囲まれている草刈場を「フウロ野」と呼び、フウロソウは草刈場に生える草という意味とのことだそうです。 ☆エゾフウロの花言葉は、フウロソウに共通の「変わらぬ信頼」「陽気」だそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.09.30 05:10:18
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