犯罪を減らす方法についての考察(3) ~江戸の治安維持に学ぶ~
都市設計の専門家のジェイコブズという人が、安全な都市作りのための条件として、こんなことを言ってるそうです。 (1)人口密度が高いこと (2)ゾーンニングがされてないこと (3)道が細く曲がりくねっていること (4)古い建物が多く残っていること (1)については、どこかの国のきったないスラム街なんかをイメージして意外に思われる方も多いと思いますが、実は人口密度が高いということは悪いことばかりでもなくって、たとえば都市犯罪の多くが閑静な住宅地で起ってることを考えると、人が多いということは犯罪が起りにくい要素でもあるんです。 (2)については、つまりこの町は住宅地、この町は商業地、この町は工場、という具合いに、町が機能ごとに区分されていない方がいいということです。 (3)(4)はよくわかりませんが、なんか人の心がほっと落ち着くんじゃないでしょうかね~。 (1)にも(2)にも共通して言えることは、いろんな種類の人間と多く触れ合う環境の方が安全ということだと思います。多分その方が、どうやったら人とうまく調和できるか、ということをひとりでに学んでいけるんだと思います。イヤなことや困ったことがあっても、犯罪に走る前にうまく自分をコントロールする術を身につけるんでしょうね。 一例をあげると、、、僕が大学時代に東京に行ってビックリしたのが、電車のホームでみんな整然と列をなして並んでいること。福岡なんて今でもどうかするとすぐに列が崩れますが、それは福岡は人の数が少ないからだとあるとき気づきました。東京ぐらいに人が多いと、ちゃんとマナーを守ってないと成り立たないんですね。そうやって、人の多さでもまれて、自然発生的にマナーが生まれ調和にいたるというパターンがここにあると思います。 江戸の町はまぎれもなく当時世界一の人口密度で、しかも種々雑多な人々がごちゃまぜになって細い路地をはさんでオンボロ長屋に住んでるわけです。上の定義に従えば、まさしくこれは安全な都市でしょう(笑) ・・・ まだまだつづく(と思う)