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カテゴリ:鑑賞 etc
明日からの来客の前に、先月から催されている展示会へ行ってきました。 仏領コルシカ島にある、フェッシュ美術館のコレクション。17~18世紀のバロック絵画が主でした。 『ヴィーナスの誕生』で有名なボッティチェッリの『聖母子と天使』が一番の見所。 フェッシュ美術館改修中の閉館に伴って、日本でもコレクションが巡回するそうです。 みなさんのところでも、これから観られるのでしょうか。 よく目にする『春』などのボッティチェッリの見事な絵画に比べると、『聖母子と天使』は当然ながら完成度低く見えます。それもそのはず、これを描いたのは若干二十歳のころ。まだ駆け出しの画家だったんだそうです。 美しさの観点だけでも、後の傑作には遠いけれど、もう巨匠の片鱗は見えているように感じますね~。 幼い聖母。幼子キリストの目ぢからは、ぎこちなくてもなんだかいい。 色が暗いのは絵の具が剥げ落ちたせいだそうです。実際はもっと美しい色彩だったのでしょう。1467~70年の作品なので、550年前の絵。 思ったよりも小さな絵でした。 縦横約2メートルあるルカ・ジョルダーノ『聖ペテロの殉教』は圧倒されるものがありました。それからカルロ・マラッタ『男の肖像』も好きでした。 そのほかには、17世紀頃始まったという、イタリアの多くの静物画が展示されていましたが、どうも静物画というものは私の肌には合いません。いつも、どこを楽しんだらいいのかわからず。 雑然と置かれた物の構図だとかを観るといいのでしょうか。お好きな方には見応えあるものだったのでしょう。 コルシカ島はナポレオンの生地だそうで、ナポレオン一族の肖像画も多数展示されていました。 美術館の名であるジョゼフ・フェッシュ枢機卿は、ナポレオンの母方の叔父で、有名な美術品の収集家だったそうです。 16000という膨大な絵画のコレクションを持ち、亡くなってから家族によって多く競売にかけられたけれど、1000点は現存しているそう。 なかなか見応えのある展示会でした。 ジョヴァンニ・ベッリーニ『聖母子』(1460-80) 全体の金が眩くて優しい 芸術の森は、若干交通の便が悪いのだけれど、道立近代美術館の混雑しているのに比べたら、ゆったりとしていて自然に囲まれていて長閑な美術館です。 展覧も見やすい。 前回のモディリアーニから久しぶりに出かけて行きましたが、ほとんどが散ってしまっている桜の木の下を歩いてゆくと気持ちがよかった。 ここ当分の煩わしかった出来事が、ほぐれて少しだけ癒されました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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