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カテゴリ:フィンランド映画
シェイクスピア劇を、現代の企業乗っ取りドラマに置き換えた、サスペンス溢れるブラックコメディ。 元ネタの『ハムレット』をよく知らなくて、Wikiで調べてみると、結構細部まで原作になぞっているようだ。 一番の違いはラストにあるオチ。 初期の作品だけれど、カウリスマキ・ワールドのシュールな表情は、すでに健在だった。 ブツリと切れる編集は、原作を知らないとストーリーがわかりにくいかも。 主人公たちの魅力という面でも、哀愁や愛おしさは、この作品に限ってはあまり感じられない。 父親を殺されたハムレットは、未亡人となった母親が、叔父とすぐに再婚したことに憎悪を抱く。 社内には叔父が前社長を殺したという噂が流れ、度々父の亡霊が目撃されるのだった。 側近の娘オフィーリア(オウティネン)に熱をあげるハムレットだが、新社長になっても未だ彼女をモノにはできず・・・いつも拒まれ鬱々とした苛立ちのなか、水面下では、皆がぞれぞれに悪を企んでいた―――。 企業に置き換えて描かれる愛憎劇は、乾いた悲劇を淡々と重ねていく。 オフィーリアは溺死自殺、側近はハムレットによって誤殺、彼を殺そうと叔父の盛った毒には、誤まって母親が倒れる・・・・。さすが悲劇に次ぐ悲劇だ。 陰謀を抱いてハムレットに近づいたはずのオフィリアが、いつの間にか本気で彼を愛していたあたりがほんのり切ない。 それに気づいた時、ハムレットはすでに人が変わり、血で手を汚している。父親殺しの犯人は叔父ではなくて彼なのだ・・・。 元ネタを知っていれば、もっと楽しめたかと思うと残念。 モノクロで温度のない、戯曲の焼き直しは、原作にはないスマートなオチでTHE END. 冒頭のワンコになるほど~。 時々カラッと笑えるいいシーンもあるけれど、全体としては物足りないという感想だった。 監督・製作・脚本 アキ・カウリスマキ 撮影 ティモ・サルミネン 出演 ピルッカ=ペッカ・ペテリウス カティ・オウティネン エリナ・サロ (モノクロ/86分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.03.08 22:31:18
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