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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:ソ連・ロシア映画
『十二人の怒れる男』は、57年製作の法廷映画の金字塔。室内劇としても秀逸でした。その大いなる名作をオマージュして作られた作品は数あれど、ここまでオリジナルに忠実なリメイクは、半世紀経てたぶんはじめてです。 (あらすじ) あるチェチェンの少年が、養父であるロシア軍将校を殺害した罪に問われ、終身刑を求刑される。3日間の審理も終わり、残すは12人の陪審員による評決を待つばかりだ。 いくつもの状況証拠から、有罪は誰の目にも明らかと思われた・・・。しかし11人が有罪に手を挙げる中、ただひとり無罪に1票を投じる陪審員が現れる―――。 2時間を超す本編、ほぼ元ネタ通りの展開で安心して楽しめました。 サスペンスの度合いも、エンタテイメント性も増して、見応え十分。現代ロシアの社会問題に触れた内容は、オリジナルに比べても遜色ありません。 なんといっても、キャラがさらに立っている! 12番までの陪審員、それぞれの個性がはっきりしていて、そこは尺を伸ばしただけある。一人ひとり見せ場があったりするのは、あまりにも出来過ぎで、しつこい演出かもしれませんが、着実に無罪票が増えていく白熱した展開は、わかっていても目を逸らせません。 少年は無罪では・・・? そんな疑心が、殺人現場を再現し、証言を再考するうちに、物理的な矛盾を浮かび上がらせていく―――。たったひとりの意見が、はじめは思いもしない結末を引き寄せる。面白いお話です。 オリジナルの良さに唸るばかり。 1957年製作、シドニー・ルメット版を再見したくなる人も多いはず。 いまでこそ、他人事ではなくなった陪審員制度ですが、東京サンシャインボーイズ(三谷幸喜主宰)の舞台は、そう考えると、ずいぶん時代を先取りしていたんですね。 舞台を同名タイトルで映画化した『12人の優しい日本人』は、監督こそ三谷さんではありませんが、おもしろかったです。 極私的には、若かりし豊川悦司がツボ。 監督/ ニキータ・ミハルコフ 製作/ ニキータ・ミハルコフ レオニド・ヴェレシュチャギン 脚本 ニキータ・ミハルコフ ヴラディミル・モイセイェンコ アレクサンドル・ノヴォトツキイ=ヴラソフ 撮影/ ヴラディスラフ・オペリヤンツ 音楽/ エドゥアルド・アルテミエフ 出演/ セルゲイ・マコヴェツキー ニキータ・ミハルコフ セルゲイ・ガルマッシュ ヴァレンティン・ガフト (カラー/160分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.10.14 23:41:04
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