【戦艦ポチョムキン(BRONENOSETS POTYOMKIN)】 1925年 モンタージュ理論の親、エイゼンシュテインによる映画史上屈指の名作
1905年は、先日完結したばかりのNHKドラマ、『坂の上の雲』で描かれていた日露戦争のただ中だ。戦艦ポチョムキンは黒海艦隊だそうなのでバルチック艦隊とは別ものなのかもしれないけれど、時代背景がイコールで繋がらないのはなぜだろう。。製作年を考慮してもあんまりピンとこないのでした。無声映画の時代、モンタージュで構成された映像のほうは見ごたえ十分。 劣悪な待遇に耐えきれずに反乱を起こす水兵たちと、彼らを支持する国民たちに向けられるコサック兵による一斉射撃の悲劇は、屈指の名場面として映画史に刻み込まれている。階段を逃げ惑う群衆場面は、もうほんとうに圧巻。のちに『アンタッチャブル』で、階段を滑り落ちる乳母車のシーケンスに繋がっていったかと思うと、ちょっと感慨深い。映画ってほんとうにおもしろいですねー。 ウジの湧いた肉、蜘蛛の子を散らすように逃げる人々、我が子を殺された母の悲痛な表情・・・・時を経てなお新鮮な驚きがある、こちらも、死ぬまでに観たい映画1001本のなかの一作。それにしても一番上の水兵さんがオカマちゃんに見えるのは、わたしだけか。真摯な作品とは思えないナイスなポスター。 監督・脚本 セルゲイ・M・エイゼンシュテイン 原作 ニーナ=アガジャーノ・シュトコ 撮影 エドゥアルド・ティッセ 音楽 ウラディミール・クリュコフ 出演 アレクサンドル・アントノーフ グリゴリー・アレクサンドロフ ウラジミール・バルスキー (66min)