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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:ソ連・ロシア映画
一度見たら忘れられない、ソ連時代のSF作品を、数年ぶりに感傷、いや鑑賞。 キン・ザ・ザ星雲にある惑星にワープした技師と学生が、奇妙な宇宙人たちと出会い、騙し合いと悪戦苦闘の数々が繰り広げられる。 1986年製作だから、けっして古くないのに、巷に溢れているSF映画とは一線を画す絶品シュールなおバカ映画。合言葉は 「クー!」 とあるきっかけで、キン・ザ・ザ星雲へワープしてしまったふたりの男。この惑星では、差別や賄賂が横行し、富める卑劣漢たちが大手を振って暮らしている。 戸惑う彼らに、更なる服従の徴、屈辱の「クー」と鼻輪が課せられるが・・・果たして無事に認識番号を手に入れて、“地球”へ生還することができるのか!? 見渡すかぎり乾いた砂で覆われた砂漠の惑星で、ふたりがはじめて遭遇する飛行物体に、早々から、ハートを撃ち抜かれてしまうこと必至。 降りてきたのは、異星人のウエフとパッツ人で、とにかくここから、ノンストップのシュールでゆる~い世界が繰り広げられていく。 この惑星では、なんとマッチが貴重品。マッチ欲しさに協力するパッツ人らと共に、可笑しなおかしな道行がはじまる。 伝説のおバカSF映画とはいえ、どうしてこれが、シニカルな要素を含んでいるので侮れない。横行するエゴと差別のなか、地球人たちのちょっとした優しさや郷愁に、なにげにホロっときてしまう。 異星の雰囲気を醸しだす、奇天烈なセットの数々がステキ。ショボくとも味わい深い、手作り感たっぷりな造形美。それらが絶妙な音楽とリズムに絡んで、なんともいえない小気味よさを演出している。怪作ちゅうの快作。 帰還する金を稼ぐため、興行して歩く彼らが歌うペーソス溢れる曲は、また暫く脳裏から離れそうにありません。 ズンチャン、ズンチャン。クー! ♪ マーマー、マーマー、どうしようー 監督/ ゲオルギー・ダネリア 脚本/ レヴァス・カブリアゼ ゲオルギー・ダネリア 撮影/ パーヴェル・レーベシェフ 音楽/ ギア・カンチュリ 出演/ スタニスラフ・リュブシン エフゲニー・レオーノフ (カラー/134分/KIN-DZA-DZA) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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