|
テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:チェコ(スロバキア)映画
ヤン・シュヴァンクマイエルが描く『不思議の国のアリス』。 氏の作品を敬愛する人にとっては、たまらないキッチュさだけれど、万人受けはぜったいにしないだろうな~。 『不思議の国のアリス』は、もともと、イギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンという人が、ルイス・キャロルのペンネームで書きあげた物語なのだそうだ。 児童書にしては、かなりブラックで奇妙なお話だと思ってきたけど。視点を変えたら、こんなにまで悪夢と化すのか!そう思ったらおかしかった。 キッチュというと、響きがかわい過ぎるから、同じ意味でもあえて俗悪と称したい感じ(笑) 登場する人間は、アリスを演じたクリスティーナ・コホトヴァちゃんだけ。アリスがちいさくなると、彼女の代わりに人形が役を引き継いで動く。 しかもその人形がちょっとホラーチックで不気味だったりするのだ。 得意の人形アニメーションとコマ撮りで、3年の歳月を費やして撮りあげたのだそう。 相当グロテスクで、気持ちが悪いけどユーモラス。苦笑しながら見るもよし。 カチカチ鳴らす前歯がこわーい剥製のウサギや、珈琲めちゃくちゃ溢しながら内臓見えてるキチガイ帽子屋さんなど、キャラも濃い。 女王だけでなく、どこまでもなんか酷いの、みんなが・・・。 人形アニメーションという手法の魅力が満載で、CGには出せない個性に満ちた、おもしろい無二の作品となっています。 ちなみに、今年公開の『アリス・イン・ワンダーランド』も、不思議の国のアリスがモデルとなっている。 監督はティム・バートン、ジョニー・デップ主演で、アリスの10年後を描くとか。なんだかバートン・ワンダーランドでこちらも面白そう! 『不思議の国のアリス』はどんな風にも解釈できる、大人にとっても興味湧く題材なのだなぁ。 今回DVDを買ったけれど、シュヴァンクマイエル版はとても子ども向けではないので、しばらくは一人で楽しむことになりそうだ。 監督・脚本/ ヤン・シュヴァンクマイエル 製作/ ペーター・クリスティアン・フューター 撮影/ スヴァトプルク・マリー 出演/ クリスティーナ・コホトヴァ (カラー/86分/チェコ=スイス=イギリス=西ドイツ合作) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.06.14 04:45:01
コメント(0) | コメントを書く
[チェコ(スロバキア)映画] カテゴリの最新記事
|