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2010.06.22
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カテゴリ:ソ連・ロシア映画

 今世紀初頭、極東ウスリーの地誌調査をする部隊の隊長アルセーニエフ(サローミン)率いる探検隊は、道案内に老猟師デルス・ウザーラを雇う。苦難のなか、アルセーニエフは自然と同化して生きるウザーラに強い共感を覚えていくが―――――。


 隊長アルセーニエフが、ウザーラを弔うため極東の地を再訪する場面から、物語ははじまる。
威厳ある自然の脅威と美しさが、二人の出会いと別れを引きたてる。なにかと考えさせられる物語だった。
ウザーラが知る、自然のなかで生きる術がすばらしい。それ以上に、彼の人柄と愛着わく存在感が、本編の一番の魅力となっている。

アルセーニエフの一行は、幾度もウザーラの知恵と知識によって救われることになるのだった。
しかし、そんなウザーラでも老いには勝てず。今度はアルセーニエフの計らいで都会で安泰に暮らすようになるのだったが・・・・・。

自然の厳しさのなかで生きるのは難しい。
それと同様にして、田舎暮らしに慣れた老人が、都会で生きるのは難しい。順応できない。
なんともやるせない、現代社会にも当てはまる、切実な問いかけがあった。

dersuuzala3.jpg


若いころの鋭さがなく、冗長気味なのが玉に瑕。苦労の連続だったろう映像にも、それほど迫力とパワーを感じない。
ただ、物語が言わんとすることの核は、とても学ぶところが多かった。
人間も自然の一部であるという感覚は、常に忘れないでいたいものだ。

DersuUzala-ArsenievHome.jpg


 黒澤監督にとっては初となる海外作品。
この頃、日本国内でも興行成績が落ち込んで、窮地に立たされていたという世界の黒澤は、厳寒のソ連で長年温めていたこの映画を撮りあげた。



監督/ 黒澤明
原作/ ウラジミール・アルセーニェフ
脚本/ 黒澤明  ユーリー・ナギービン
音楽/ イサーク・シュワルツ
出演/ ユーリー・サローミン  マクシム・ムンズク  スベトラーナ・ダニエルチェンコ

(カラー/161分/ソ連製作)







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Last updated  2010.06.24 23:06:31
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