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カテゴリ:鑑賞 etc
美術館にむかう大好きな山道を愛車でひた走り、芸術の森美術館へ足をむけました。 いま開催しているのは、「森山大道写真展 北海道<最終章>」。 1964年にフリーの写真家としてデビュー。「アレ、ブレ、ボケ」と形容される独自の表現で知られる。『写真よさようなら』(1972年)の発表後、長いスランプに陥ったが、1978年北海道に渡り、札幌を拠点に道内各地を旅し、ひたすらシャッターを切った。 本展では、ほとんど現像されることがなかったこれらの膨大なフィルムのなかから、選び出されたモノクロ写真と、新たに北海道各地で撮影されたカラー写真合わせて、約350点を一堂に展示している。 <最終章>とあるのは、 2009年から北海道各地を巡回してきたシリーズの集大成だからだそうだ。わたしが足を運ぶのは初めて。 1978年というから、ドンピシャリで懐かしい風景。北海道に育ったわたしのなかにある郷愁は、こういった風景なんだ。 寂れた街の繁華街に立ち並ぶネオン、いまはもう潰れてない映画館に「網走番外地」のポスター、70年代流行りのファッション。 インドへ旅行したとき、ゴミだらけの道や、排泄物を線路に垂れ流す列車に驚いた。 でもね、なんのことはない。わたしが子どもだったころも、道端はポイ捨てされたゴミであふれていたし、汽車のトイレは穴から線路へ垂れ流しだった・・・・。 もうすっかり、いまの日本で平然と暮らしてるけれど、30~40年まえなんて、こんなだったんだよね。列車内を写した一枚の写真が、思い出させてくれた。 新しく撮影された、最近の北海道の写真もまた、眺めているとたのしい。見慣れた光景も、視点がかわれば新しい発見がついてくる。 じぶんが居そう・・・(笑)そんな気になったほど、身近な場所の等身大の写真がいっぱいあった。 一等気に入ったのは、小さな街の商店街や、見るからに懐かしくて古くさい、看板の数々。字体もバランスも、時代特有の魅力があって。たばこ屋、スナック、洋服店・・・・どれもこれも味わい深い。あの頃の道端、あの頃の風景。 ひとつ難点といえば、ガラスに照明が反射して、全体的に見にくいこと。巨大なパネルが天井あたりまでくると照明もむずかしいのでしょう。 5度ちかくある温かな日、美術館の外は雪解けがすすむよ。先日降りつもった大雪で、銀世界に逆戻りした芝生に、どこかの親子がのこした雪だるま。大きくて愛らしかった。 木々もちょっとだけ春の気配。芽吹きはじめている。 ちなみに車のキーには、妖精のアラシクロバネと江頭2:50。濃いぃ。 愛車を飛ばして帰路につく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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