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行きかふ人も又

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2011.06.26
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カテゴリ:スペイン映画


los_amantes_del_ci__rculo_polar_199.jpg

 8歳にして“運命の人”と出会ってしまったアナとオットー。校庭に向かって飛ばした紙飛

行機をきっかけに、アナの母親とオットーの父の間にロマンスが芽生える。やがて義兄妹

となった二人の、恋とその結末を描いた異色ロマンス。

 

ずっと気になっていたスペイン発のラブストーリー。少年期から青年期へ、そして大人へ。

3世代の役者が演じ分けて描かれる、成長ごとに育まれる愛。

アナの目線とオットーの目線。交互に、ふたりの運命の軌跡を描いていく。

アナと居るため、ふたり暮らしの母親を捨てて、父親の新しい家庭に飛び込んだオットー。

彼らは、ひとつ屋根の下で、こっそりと愛を交わす幸せな日々を送りはじめる。しかしある

時、ひとり残されたオットーの母親がひっそりと孤独に亡くなってからというもの、オットー

は呵責に耐えきれず、人が違ったように、失意のまま家を飛び出して姿を消してしまうの

だった。

それから17年。オットーはスペイン・フィンランド間の航空郵便のパイロットになっていた。

そしてアナは、その航空機が通り過ぎるフィンランドの小さな町ロバニエミに、偶然住みつ

いたばかり。

巡り会う運命の歯車は、再会へむけてたしかに回り続けているのだった――。

20080702211154-amantespolar.jpg los-amantes-del-circulo-polar-original.jpg

中盤までが、とても甘美で、絵になるシーンの連続だったので、このまま幸福へと一気に

突き進んでいくのだろうと思っていた。なので、再会が手繰り寄せた予期しない結末は、あ

まりに突然で悲しく、呆気にとられてしまう。ここでハッピーエンドなら、文句なしの作品だ

った。


見終えて、クシシュトフ・キェシロフスキの『偶然』や『トリコロール』『ふたりのベロニカ』、ト

ム・ティクヴァ監督の『ウィンタースリーパー』『プリンセス・アンド・ウォリアー』など、大好き

な作品を思い出す。

より深いところで結びついた運命や偶然に引き寄せられる男女の物語を、わたしは偏愛

しているのだ。 上記の作品群がお好きな方にはとてもおすすめ。



†    †    †


監督/ フリオ・メデム
脚本/ フリオ・メデム  エンリケ・ロペス・ラビニュ
音楽/ アルベルト・イグレシアス
出演/ ナイワ・ニムリ  フェレ・マルティネス  サラ・バリエンテ

(カラー/112min)





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Last updated  2011.06.30 19:59:36
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