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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:スペイン映画
フランスの古都ストラスブールを舞台に、美しく詩情豊かに、6年前に恋した女性を探し彷徨う男の姿を描く――。 出会った場所、街角のカフェに静かに腰を据えて、街ゆく人々のなかから、思い出の恋人を探す主人公。 手元には一冊のノート。白紙のページに彼が描く、カフェで過ごす美しい女性たちのスケッチが、シルビアの面影と重なって、芯の先からも、めくれる頁のあいだからも、思いのニュアンスが優しく匂った。 まるで主人公といっしょになってストラスブールを歩いたような、不思議な充足感に満たされる。 古都の情緒、光と影のモザイク模様。どこもかしこも美しい。 必死になって追いかけた女性が人違いだったとしても・・・この物語にはそれはどうでもいいこと。 静謐に再会への希求だけをつらまえるなら、切なさはいらない。 100%情感でできている、美しいとしか呼びようのない作品だった。 監督・脚本 ホセ・ルイス・ゲリン / 出演 グザヴィエ・ラフィット ピラール・ロペス・デ・アジャラ (85min/スペイン=フランス合作) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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