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毎年11月にカナダ・アルバータ州で開催されている、世界最高のアウトドア映画祭「BANFF MOUNTAIN FILM FESTIVAL」。 存在さえ知らなかったのだけれど、ことし友人の旦那様に薦められて、はじめて出かけてみた。 世界32か国、全国9か所を巡回して開催中。 A・Bのプログラムに分かれていて、わたしはAのみ鑑賞。 ここ札幌会場の道新ホールは、700席あるにもかかわらずほぼ満席。前売りも買わずに当日券で入って、座れてよかった。 予想どおり、いかにもアウトドアフリークな風貌スタイルのお客さんだらけでちょっとドキドキ。 外国人の姿も目立ったけれど、patagonia関係者でしょうか。 時々眠くなって舟を漕ぎつつ、時おり湧く笑いと感嘆がたのしかった。 Aプログラムはぜんぶで5作品。 「オーセブン(Oseven)」のみフランス製作で、あとはみんなアメリカ映画になってます。 『スイス・マシーン(The Swiss Machine)』 (アメリカ/20min) 世界最高スピードのアルピニスト、ウエリ・シュテック。アルプスの壁を駆けあがる姿や、アイガー北壁のスピード登攀に挑む姿を、驚愕の映像でみせる。 これはもう凄いとしかいいようがない。山キチガイは死と隣合わせでなぜ登るのか、どう考えてもデンジャラスな勢いに・・・・・・半ば呆れながらもハラハラと観た。 ただ、アイガーを最速で登りきったとき、場内には感嘆の声が響きました。 『オーセブン(Oseven)」』 (フランス/6min) シャモニー・モンブランで落ち合って、ボルダリングやマウンテンバイク、パラグライディングを楽しむ男たち――それは少年の憧憬が見せた夢だった。 こちらのオープニング作品は、いろんな捉えかたができそうな、わずか6分のスピードフルな小粒作。 音楽とアウトドアスポーツは相性が絶妙。爽快なミュージッククリップのようだった。 『イースタン・ライズ(Eastern Rises)』 (アメリカ/38min) 極東ロシアのカムチャッカ半島で、冷戦時代のヘリに乗り込み、未だかつて釣り人が分け入ったことのない未知の領域を目指す、釣りキチたちの悪戦苦闘。 この作品が一番ユーモアあって笑ったなー。釣りキチガイの方々もなかなかにナンセンス。 巨大モスキートに熊にビッグフット・・・・靄のかなたに危険がいっぱい。この上なく楽しげに巨大魚と戯れる、大の大人は愉快爽快。 『イントゥ・ダークネス(Into Darkness)』 (アメリカ/15min) 洞窟に潜む地下世界に魅せられた男たちの冒険の記録。 この作品だけは、たった15分が1時間にも感じるほど長かった。つまるところ詰らなかった。 なぜに地味な地底を探検するのだろう。恐怖心をのぞかせながら、狭い穴に挟まってもがく男たち・・・・・あまり楽しげじゃなかった。 地上で駆け巡るのが好きなDNAとは、別のタイプなのねきっと。 『ライフ・アセンディング(A Life Ascending)』 (アメリカ/57min) 取りを務める本作が、やはり一番の見応え。 コロンビア州セルカーク山脈にある氷河に、妻と2人の小さな娘たちと住んでいるルエディ・ベグリンジャーは、世界トップクラスのマウンテンガイドとして定評がある。山に住むユニークな家族の暮らしと、ルエディが直面した7人の尊い命を奪った雪崩事故後の旅をとらえる――。 雪深い山でロッジを経営する家族の暮らしが素晴らしかった。ほかでは真似できない、貴重な経験をして育つ娘たちは、きっとステキな大人になるだろう。 そんな娘たちを慈しみながら、夫婦は、2003年の雪崩事故以来、覚悟を決めて真摯に客を山へ導いている。 北国に暮らせば、冬の厳しさや雪のこわさを知らずに生きていけないけれど、ここまで雪を愛せるだろうか。過酷なのに楽しそうに一家は仲良く生きていた。眼前に広がる一面真っ白な雪山がビューティフォー。 いまちょうど、ジャック・ロンドンの『火を熾す』を読んでいるのだけれど、休憩ちゅうなど開いて読むと、雪山や寒さの記憶が否応なく蘇った。ジャック・ロンドンさんが妙に似合っていた今日一日だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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