悪性胸膜中皮腫とペメトレキセド(商品名アリムタ)
今日、胸膜中皮種の患者さんが化学療法をするために入院されました今回もシスプラチンのみの投与です前回は『胸水があまりたまらなくなったよ』を少し喜んでおられました今回も少しでも症状が軽くなるとよいなぁ と思います。悪性胸膜中皮腫の化学療法としては、日本には標準的治療と呼べるものはありません。いくつかの治療法はあるのですが、「生存期間の延長に有効か?」といって点においては明確な根拠(エビデンス)は無いそうです。ただ、2年前に米国で承認された ペメトレキセド(商品名アリムタ)はシスプラチンとの併用により生存期間の延長が期待できるそうで、現在国内の臨床試験中だそうです。全身化学療法としては、単剤の第2相試験において、gemcitabineで0~31%、vinorelbineで24%、docetaxelで5~14%の奏効率が認められたとの結果が報告されている8,9。多剤併用療法としては、cisplatin+gemcitabineで15~48%、cisplatin+irinotecanで27%、cisplatin+mitomycin+vinblastineで20%の奏効率が報告されている8,9。いずれの結果も第2相試験の結果であり、生存期間の延長は示されておらず、標準的治療とよべるものではない。しかし、2004年2月に米国FDAでも認可されたpemetrexedはcisplatinとの併用により生存期間中央値12.1ヶ月を示し、cisplatin単独の場合の9.3ヶ月に比べ生存期間の延長したことが報告された10。現在、pemetrexedは悪性中皮腫に対しcisplatinとの併用で日本においても治験が進行中である。 (国立がんセンター ホームページより抜粋)悪性胸膜中皮種 肺や縦隔を覆っている胸膜の中皮細胞に由来する悪性腫瘍で、ほとんどの場合、アスベスト被曝が原因とされています。アスベスト被曝から発病までは30~40年くらいかかるとされており、初期症状はなく 進行すると呼吸困難、胸痛、胸水などの症状があらわれます。初期の場合は外科的治療が有効とされています。 国立がんセンター 『中皮種(医療者向け)』 イーライリリー ホームページ 『ペメトレキセドとシスプラチンの併用療法について』