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2024.03.15
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カテゴリ:歴史の勉強
「天皇はなぜ2000年にわたって崇められ続けるか」のテーマで本好きの先輩から借りた
「天皇制の基層」(吉本隆明と赤坂憲雄の討論記)という本を読んでいる。

実に難しい本だ。難しい文章で書くことによって自分は偉いんだ、賢いんだと主張する人がいるが、それに近い文章がならんでいる。本当に賢い人は、だれにでもわかる平易な文章を書くと思うのだが。

前置きが長かった。本題に入り、この本の言っていることの中間報告だ。

天皇制の2つの側面は以下だ。
1. 宗教としての天皇制
2. 二重王権としての天皇制(摂関制、将軍、現在の象徴性)

もうひとつの言い方で天皇を語るのに三種類ある。(赤坂憲雄の説)
1. いわゆる天皇信仰。神聖にして侵すべからずである。精神的絶対帰依の対象。
2. 祖先祭祀者、農耕祭祀者としての天皇。
3. 支配権力に正統性を与える宗教的権威の源泉としての天皇。(摂関、将軍、現在の象徴性)

この分類は赤坂憲雄の説だが、1.の天皇信仰は明治維新から戦前に限られると言っている。また2.の祭祀も明治以降に意図的に作られていると言っている。天皇の葬儀なども千数百年前から仏教式なのに、明治でことさらに古代を模していると言っている。


もう一人の著者・吉本隆明の反論。
いきなり3分類するのでなく、モチーフの問題だ。
数千年前から日本列島に住んでいた住民の宗教的な信仰を、どうやって天皇制が接木したかという問題だ。
祭祀信仰は大和朝廷成立以前からあり、作為的というなら初期天皇制に作為がある。

この接ぎ木が、連続的か、非連続かという議論がある。

村落レベルの祭祀の連合体が国家として構成されるには政治的権力的プラスアルファもしくは第三の力が必要だ。一番わかりやすいのが軍事力だ。それを最初にもったのは大和朝廷だろう。

私は2000年崇められる天皇誕生の源泉は単なる破格の軍事力ではなく、侵すと祟りがある呪術を操れることと思っていたが、呪術も操り、破格の軍事力もあることだったとわかった。

ただし、天皇の祖先は今の大谷翔平のように、もし大谷翔平のことを悪く言うやつがいたら、皆から袋叩きにあうとか、奥様の家族に取材しようものなら記者仲間から非難されるなど、神聖で侵してはいけない、大いなる尊敬の対象でなければならない。そうでないと、ここまで長続きしないと思う。そのような人物の存在が徐々に宗教(祭祀)になっていったのなら、その人物を知りたい。



天皇制ってなんだろう? あなたと考えたい民主主義からみた天皇制 [ 宇都宮 健児 ]





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最終更新日  2024.03.16 08:03:28
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