映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地 高倉健さんゆかりの幾寅駅が120年あまりの歴史にまもなく幕 南富良野町は観光資源として残そうと検討
北海道放送(株) 2月16日は俳優・高倉健さんの誕生日です。 北海道内にも多くの足跡を残した高倉さん、そのゆかりの駅が、まもなく姿を消そうとしています。 【写真を見る】映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地 高倉健さんゆかりの幾寅駅が120年あまりの歴史にまもなく幕 南富良野町は観光資源として残そうと検討 JR根室線です。 来月31日を最後に、富良野と新得の間、およそ82キロが廃線になります。 その区間には、名優・高倉健さん、ゆかりの駅があります。 麻原衣桜記者 「ぽっぽやのロケ地となった幾寅駅です、映画公開から25年経った今もなお、作品内で登場した幌舞駅のまま、残されています」 高倉健さん(1999年) 「ホントに撮影中は、親身のおもてなしをいただいて、心から感謝しております」 映像は、南富良野町で映画の完成を報告する高倉さんです。 高倉さんは、1999年に公開された映画「鉄道員(ぽっぽや)」で、北の果ての小さな終着駅の、不器用でまっすぐな駅長を演じました。 幾寅駅には、映画に使われたロケセットが残されています。 駅前には、志村けんさん演じる炭鉱マンがケンカをした「だるま食堂」も。 名古屋から 「(訪れたのは)3回目、冬は初めて」「健さんを懐かしみに。寂しいですよね、けどそれだけ使う人が少ないんですよね。それを何とかしなくちゃいけない」 資料館に飾られている幾寅婦人会の写真。 ロケが行われた16日間、毎日炊き出しをして撮影を支えました。 高倉さんと100通以上の手紙のやり取りをした、当時の婦人会会長、佐藤圭子さんです。 幾寅婦人会 佐藤圭子副会長(84) 「すごく幾寅を大切にしてくださって、こんな私たちの芋団子くらいの接待で、こんなすばらしい出会いがあるんだなと思って。生涯の宝ですね」 実は、幾寅駅、もう7年以上も列車がやってきていません。 2016年の台風で、新得と東鹿越の間は、列車の代わりにバスがつないでいます。 3月末の廃線を前に、隣の暫定の終着駅=東鹿越駅は連日、列車が折り返す10数分の間だけ全国からの鉄道ファンで賑わっています。 実は、映画「鉄道員(ぽっぽや)」、HBCの旧社屋で高倉さん演じる駅長に廃線が伝えられる大切なシーンが撮影されました。 今、幾寅駅の資料館を管理するまちの観光協会は、鍵を開ける時間を30分早めて全国からのファンに対応しています。 南富良野町観光協会 小野寿樹事務局長 「長年、南富良野町の住民の足として活躍してくれた鉄路であり駅なので、そこを何とか今後も生かして行けるようにしたいなっていう思いは強いですね」 幾寅婦人会 佐藤圭子副会長 「私はもう息のあるうちは健さんのために、来て下さる方に少しでも喜んでもらいたいと思いますので頑張ります」 映画の駅と重なるように幾寅駅は、来月31日、120年あまりの役割を終えます。 幾寅駅がある南富良野町では、当初、8000万円規模で、列車の展示やロケセットを改修する案もありましたが、今は、6分の1の1300万円で検討されています。 南富良野町の担当者は、長年地元を支えてくれた幾寅駅を、これからも観光資源として生かしたいと話しています。 北海道放送(株)最終更新:2/16(金) 19:21 HBCニュース北海道