テーマ:お勧めの本(7407)
カテゴリ:読書
季節が春から夏へと移ろい始める如月のある日。 日本橋伊勢屋の美緒がつる家を訪れ、澪の顔を見るなり泣き始めた。 美緒の話によると、伊勢屋の主・九兵衛が美緒に婿をとらせるために縁談を進めているというのだ。 それは、美緒が恋心を寄せる医師、源斉との縁談ではないらしい。 果たして、美緒の縁談の相手とは!?――(第三話『小夜しぐれ』)。 表題作の他、つる家の主・種市と亡き娘おつるの過去が明かされる『迷い蟹』、『夢宵桜』、『嘉祥』の全四話を収録。 恋の行方も大きな展開を見せる、書き下ろし大好評シリーズ第五弾!! この本では、「つるや」の主人、種市と亡き娘おつるの過去が明かされる『迷い蟹』が面白かった。 この回で、はじめて、種市の苦しみが分かった。 (▲大津で見た菜の花畑。) また、食べ物では、「菜の花尽くし」が面白い。 吉原の翁屋に請われて、澪は菜の花の蕾の料理を考え作る。 江戸では、菜の花は食べないのだそうだ。 菜の花は、江戸では作らないし、油を採るために作っているものでとても貴重なものなのだ。 「大坂は菜の花の産地やさかいに、菜の花いうたら、 菜種のあの黄色い花しか思い浮かばへんのだす。」と御寮さんの芳。 「・・・馴染みの油問屋の旦那から聞いたことがあるが、江戸で使う菜種油の大半は大坂から運ばれるんだとか。・・・。」と吉原の料理人、又次。 「この界隈では、菜の花の群れている景色を、あまり見ないわけですよね。」と澪。 この会話で当時の菜の花事情が分かってとても面白かった。 吉原の翁屋で、菜の花と食べた大尽たちは 「畑にあれば小判に換わる油菜の花を・・・。 何という贅沢、何という極み。」と大感激した。 「小夜しぐれ」とは、夜に降る時雨で季語は冬。 ■NHK土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」 ■ ■八朔の雪:みおつくし料理帖■ ■花散らしの雨・みおつくし料理2■ ■想い雲みをつくし料理帖3■ ■今朝の春:みをつくし料理帖4■ にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.07.13 18:35:31
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