テーマ:本のある暮らし(3317)
カテゴリ:読書
酷暑を過ぎた葉月のある午後、翁屋の楼主伝右衛門がつる家を訪れた。 伝右衛門の口から語られたのは、手を貸すので吉原にて天満一兆庵を再建しないか、との話だった。 一方、登龍楼の采女宗馬からも、神田須田町の登龍楼を、居抜きで売るのでつる家として移って来ないか、との話が届いていた。 登龍楼で奉公をしている、ふきの弟健坊もその店に移して構わないとの事に、それぞれが思い揺れていた。 つる家の料理人として岐路に立たされた澪は、決断を迫られる事に――(第二話「天つ瑞風」より)。 野江との再会、小松原との恋の行方は!? 「みをつくし料理帖」シリーズ史上もっとも大きな転機となる、待望の第六弾!! 青葉闇―しくじり生麩……文化12年6月~7月の話 天つ瑞風―賄い三方よし……同年8月の話 時ならぬ花―お手軽割籠……同年9月の話 心星ひとつ―あたり苧環(おだまき)……同年10月の話 料理を弁当にして売ることを思いつく澪。 かつて、持ち帰りたいという客のために青竹で器を作って持って帰ってもらったことがあるが、 火災予防のため、町触れにより煮炊きの火の扱いを、朝五つ(午前八時)から四つ(午前十時)に限られた澪は、冷めても美味しく食べられる割籠(弁当)を供して難を乗り切る。 という今回の話で澪が使ったのが「割籠(わりご)」。 弁当箱の一種だというがはじめて知った。 「割籠」、弁当箱に入れて料理を売るが空いた割籠を持ってきてくれたら、次回からは、割籠の分の値段をひくという。 容器は使い捨てではない。 ■江戸はリサイクル社会■だった。 今でいう■エシカル生活■! 「みをつくし料理帖」シリーズに出てくるキャラのたった人々。 中でも一番好きなのが、芳。 芳はもと大坂の名料亭の女将。 「ご寮さん」と「つるや」の主人、種市や「つるや」で働く同僚にも、そう呼ばれている。 ご寮さん、芳は、みごとな客あしらいをする。 特にそれが現れるのは、「NO!」という時。 ・・・やんわりと芳が割り込んだ。 相済(あいす)みまへん、と畳に両の手をつくと、・・・。 穏やかだが、相手につきいる隙を与えない、きっぱりとした断りの挨拶だった。 美しく、洗練された身のこなし、上品なものいい、頭がよく度胸もある・・・。 「ろうたけた」という言葉がピッタリの芳は、憧れだ。 だから小料理屋のお運びとなった今も、「ご寮さん」とみんなから一目置かれいる。 芳は、優しさも持っている。 親をなくした幼い澪を引き取り、夫婦で優しく、厳しく育てた。 「つるや」の少女には、華やかな布で前掛けを作った。 着物が買えないからせめて、前掛けでもという想いだろう。 上品で美しく、かしこく、優しい・・・。 そんな魅力的な芳に後添えになって欲しいという人が現れる。 大店の主人で悪くない話だと勧められる芳は 「てんご(冗談)」と笑う。 「ご寮さんは自分の値打ちが分かっていない」と同僚のりょうは言う。 NHKでは、芳の役を安田成美がやっている。 ■みおつくし料理帖のセリフ■ ■NHK土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」 ■ ■八朔の雪:みおつくし料理帖■ 狐のご祝儀―ぴりから鰹田麩……文化9年11月の話 八朔の雪―ひんやり心太……文化10年8月の話 初星―とろとろ茶碗蒸し……同年9月~11月の話 夜半の梅―ほっこり酒粕汁……同年12月~文化11年1月の話 ■花散らしの雨・みおつくし料理2■ 俎橋から―ほろにが蕗ご飯……文化11年春の話 花散らしの雨―こぼれ梅……同年3月の話 一粒符―なめらか葛饅頭……同年4月の話 銀菊―忍び瓜……同年5月の話 ■想い雲みをつくし料理帖3■ 豊年星―「う」尽くし……文化11年6月の話 想い雲―ふっくら鱧の葛叩き……同年6月~8月の話 花一輪―ふわり菊花雪……同年8月~9月の話 初雁―こんがり焼き柿……同年10月の話 ■今朝の春:みをつくし料理帖4■ 花嫁御寮―ははきぎ飯……文化11年10月の話 友待つ雪―里の白雪……同年11月の話 寒紅―ひょっとこ温寿司……同年11月~12月の話 今朝の春―寒鰆の昆布締め……同年12月の話 ■小夜しぐれ:みをつくし料理帖5■ 迷い蟹―浅蜊の御神酒蒸し……文化12年1月~2月の話 夢宵桜―菜の花尽くし……同年2月~3月の話 小夜しぐれ―寿ぎ膳……同年3月~5月の話 嘉祥―ひとくち宝珠……同年5月の話 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.07.18 09:24:01
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