カテゴリ:読書
想いびとである小松原と添う道か、料理人として生きる道か・・・・・・。 澪は、決して交わることのない道の上で悩み苦しんでいた。 「つる家」で料理を旨そうに頬張るお客や、料理をつくり、供する自身の姿を思い浮かべる澪。 天空に浮かぶ心星を見つめる澪の心には、決して譲れない辿り着きたい道が、はっきりと見えていた。 そして澪は、自身の揺るがない決意を小松原に伝えることに―――(第一話「冬の雲雀」)。 その他、表題作「夏天の虹」を含む全四篇。 大好評「みをつくし料理貼」シリーズ、〈悲涙〉の第七弾!! このシリーズは、物語の展開と共に江戸時代の暮らし、江戸と大坂の暮らしの違いの面白さに引き付けられる。 今回、ビックリしたのは、牡蠣(かき)の殻。 酢牡蛎、牡蠣飯、殻焼き、牡蠣鍋、牡蠣のてんぷら・・・。 「つる家」では、牡蠣の料理も出すのだが、その殻は、上質な漆喰の材料になるので引く手あまた。 その回収を生業とするものがいたという。 恐るべし、■江戸のリサイクル!■ 大坂になくて江戸にあるもの。 主人公、澪が江戸に来て初めて知った商いにが■「刺身屋」■ある。 これは名前の通り刺身を専門に扱う店で、主にマグロや鰹の刺身を売っていました。 江戸時代後期の風俗百科『守貞謾稿(もりさだまんこう)』によりますと、 刺身屋の刺身は料理屋と比べると質は劣るが、値段が50~100 文(約 1000~2000 円)と安いので大繁盛していたそう。 お客はお皿を持参し、好みの刺身を盛り合わせてもらったようです。 今では、魚は刺身にして売るのは当たり前だが、当時は江戸のみ。 江戸は、独身男性が多かったというからだろうか。 タイトルの「夏天(かてん)の虹」の夏天とは、日光のまぶしい空のこと。 ■みおつくし料理帖のセリフ■ ■NHK土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」 ■ ■八朔の雪:みおつくし料理帖■ 狐のご祝儀―ぴりから鰹田麩……文化9年11月の話 八朔の雪―ひんやり心太……文化10年8月の話 初星―とろとろ茶碗蒸し……同年9月~11月の話 夜半の梅―ほっこり酒粕汁……同年12月~文化11年1月の話 ■花散らしの雨・みおつくし料理2■ 俎橋から―ほろにが蕗ご飯……文化11年春の話 花散らしの雨―こぼれ梅……同年3月の話 一粒符―なめらか葛饅頭……同年4月の話 銀菊―忍び瓜……同年5月の話 ■想い雲みをつくし料理帖3■ 豊年星―「う」尽くし……文化11年6月の話 想い雲―ふっくら鱧の葛叩き……同年6月~8月の話 花一輪―ふわり菊花雪……同年8月~9月の話 初雁―こんがり焼き柿……同年10月の話 ■今朝の春:みをつくし料理帖4■ 花嫁御寮―ははきぎ飯……文化11年10月の話 友待つ雪―里の白雪……同年11月の話 寒紅―ひょっとこ温寿司……同年11月~12月の話 今朝の春―寒鰆の昆布締め……同年12月の話 ■小夜しぐれ:みをつくし料理帖5■ 迷い蟹―浅蜊の御神酒蒸し……文化12年1月~2月の話 夢宵桜―菜の花尽くし……同年2月~3月の話 小夜しぐれ―寿ぎ膳……同年3月~5月の話 嘉祥―ひとくち宝珠……同年5月の話 ■心星ひとつ(しんぼし):みをつくし料理帖6■ 青葉闇―しくじり生麩……文化12年6月~7月の話 天つ瑞風―賄い三方よし……同年8月の話 時ならぬ花―お手軽割籠……同年9月の話 心星ひとつ―あたり苧環(おだまき)……同年10月の話 ■夏天(かてん)の虹:みをつくし料理7■ 冬の雲雀(ひばり)―滋味重湯 忘れ貝― 牡蠣の宝船 一陽来復―鯛の福探し 夏天(かてん)の虹―悲し柚(ゆ)べし にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.07.29 13:04:11
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